2005ロバート・キャパ写真展
Robert Capa in Color
「ロバート・キャパ写真展 ロバート・キャパインカラー」
1935年、世界で初めてのカラーフィルム、動画用(16mm)コダクロームが開発された。そして翌36年スチール用が発売される。ロバート・キャパは、その翌々年の1938年には中国取材で早速そのコダクロームフィルムを使用している。
当時の感度は、ISO(ASA)10ぐらい。しかしその性能は素晴らしかった。それは後に発売されるエクタクロームと違い外式という染料で、後から色をつけるものだった。耐久性に優れ、しかも50年以上も前に撮ったカラーフィルムだというのに、いまだに美しさが保たれている。そればかりか、その後に発売されるいかなるフィルムよりも素晴らしいものだった。後に現在普通に出回っている、内式のカラーフィルムが発売されたが、そのフィルムでもロバート・キャパは多くの写真を撮っている。しかし残念ながらほとんど画像が変色して使用に耐えなくなってしまった。
ロバート・キャパは、発売されてまもなくの、コダクロームフィルムで1938年の日中戦争を撮影した。その写真は、ライフに発表されたが、残念ながらポジは紛失している。
2002年、ロバート・キャパがコダクロームで撮った大量の写真が、ニューヨークマグナムから発見された。
そのキャパの撮った、初公開のカラー写真を軸に、今回展覧会が開催される。
内容は、発見された、イギリス、チュニジア、シシリーの戦争中の写真、そしてへミングウエイ親子、死の直前の日本滞在、それに最後の土地、インドシナで撮影したカラー写真が展示される。
他に15点のキャパの代表的なモノクロ写真も展示されるという。
そのほかキャパが撮影中着ていた従軍記者用軍服(?)も展示される予定だ。
当時、カラーフィルムは広告などでは多く使用されていたが、速報性の必要な報道写真(ルポルタージュ写真)では、メディアのカラー対応の遅れなどもあって、あまり発表されていなかった。それでもロバート・キャパは積極的にカラーフィルムを使用している。
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