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2005.01.30

「僕のコダクローム その12」

カラーフィルムが発明されて60年、そのコダクロームで撮った、ロバート・キャパの写真展が2月15日開催される。コダクロームとはどんなフィルムだったのだろうか。それは決して幻ではなく、ほんの少し前まで、プロカメラマンにとって特別なフィルムだった。そのフィルムについてのブログだ。
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コダクロームについて、ながながと書いた。紹介した写真は1970年代後半から80年代前半だ。実際は80年代にコダクロームで多くの写真を撮っている。今その頃の写真はほとんどが倉庫のなかだ。その11の年表を見ると、僕が写真を始めた頃は、やはりコダックの全盛時代だった。1983年にあたらしいタイプのフジクローム64プロフェッショナル発売の時、当時映画「時をかける少女」の主演をした、原田知世を起用して、フジフイルムと角川書店の共同で、ポスターを作った。電通の仕事だったかもしれない。その頃僕はコダックのEPR120を使っていた。
その仕事は、120と4x5のフィルムで撮ったと思う。当時、僕はスタジオで、4x5を使ってポートレイトを撮ることにこっていた。そのときのポスターも4x5で撮った。広告だったので、オリジナルは全部渡しているので手元にない。(依頼された広告の場合、ポジを全部渡すことは普通のことだ)。実はそのとき、テスト撮影して驚いた。実は通常、4x5で撮影する場合、EPRで撮ったときなど、平気で+1段は増感現像していた。4X5は粒状性は関係ないので、増感に無頓着だった。8X10なども、感度をあげるためにも、増感していた。物写真のように、正確な色を出す必要はない。増感したほうが、メリハリがつきうまくいった。そんなつもりで、新しいフジクローム64プロフェッショナルを、僕がいつも出している現像所でテストした。たしか+2分の1ぐらい増感したと思う。すると、マゼンタというか、とばした白バックがオレンジかぶりをしていた。真っ青になり、すぐにノーマルになるように撮って、今度は指定現像所で再びテスト現像した。ノーマルは素晴らしい発色だった。増感するとやはり、カラーバランスが崩れた。結局、本番は、露出に気をつけて、ノーマル現像で流した。(そのときの写真はそのうち探してUPする)
その時、たくさんのフィルムをもらったが、結局一枚も、そして一本も使うことはなかった。その後、約8年間僕は、コダックを使い続けた。そして90年にベルビアがでた。きっとその間にも、64プロフェッショナルは改良を加えられ、増感にも強くなっていたと思うが、使い慣れているフィルムを変えることはなかった。ベルビア、プロビアがでてから、僕はフジを使うようになった。今から15年前だ。
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(訂正)
Fujikadokawa
広告は、フジフイルム、角川文庫の写真コンテストだった。
このときに、フジフイルムが、新しいフジクロームプロフェっショナルを使って欲しいとのことだった。
そのフイルムを使うにあたって、苦労したのでフィルムの広告だと勘違いしたようだ。

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Comments

 初めまして、自分は写真が趣味の大学生です。

 渡部さとるさんのWebサイトにこのブログのことが書いてあったので、見に来ました。自分は写真部というものに入っていなかったので、モノクロを使ったことはなく、写真を始めた時からポジを使っていました。使っているフィルムは入手のし易さと、花をメインで撮っているのでフジのベルビア100をメインに使っています。ですが、コダクロームという言葉にはずっと気になっていましたし、今度旅行に行くので使ってみようと思っていました。
 自分も一度だけコダクローム200を使ったことがあるのですが、試しに1本使っただけなのにその独特の発色がアマチュアの自分にもはっきりとわかりました。ベルビアと比べると地味な印象を受けたのですが、その深みのある発色はいつか使ってみようと思いました。

 突然勢いだけで書いてしまった文章ですが、今度行く旅行ではコダクロームを持っていこうと思いました。話の内容もとてもおもしろいのでこれからも読ませていただきます。

Posted by: tsuyuki | 2005.01.30 08:54 PM

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