マイクロドライブは、壊れるか。フィルムの消費量
BBSに、コンパクトフラッシュが壊れたことが書き込まれた。機械だから当然そういうことは、あるだろう。
ところで僕は、IBMの1GB(ギガバイト)のマイクロドライブを、2002年6月、CanonD60がでてからすぐに使い始めている。今年の6月でまる3年使い続けている。
当初、MDは、ショックに弱いとかいろいろいわれた。なにしろハードディスクだ、しかし、1GB、Jpeg-Large Fineで300枚以上撮れることにひかれた。300枚連続して撮れるのなら、銀塩以上の機動力があると思ったからだ。
Rawではなく、JPegで撮る理由も同じだ。しかも、35mm銀塩ポジなみを求めるならば(実際は銀塩以上だった)、Jpegで十分な品質があると判断したからだ。(どこかに書いたが、ブローニー、4x5なみを、現時点のAPSサイズ600万画素超のデジタルカメラに僕は求めていない)
当時IBMのMDは、40000円ぐらいしたが、3枚買った。撮影の時に、一日に僕が撮る枚数ぐらいだ。(日常的な枚数ではない。明確な撮影目的がある場合だ。‥‥仕事のときに使えるということは、そんな集中して撮るときに対処できている必要がある。
撮影旅行などの場合は、僕は、多くて1000カット、フィルム時代だったら、30本ぐらいとることになる。
タレントの写真集のような、ポートレイト撮影の場合は、一日で数千カット撮ることもある。グラビアカメラマンは、たくさん撮る人が多い。
かつて、三脚に300mmぐらいの望遠レンズをつけ、モータドライブで押しっぱなし、一日35mm200-300本も撮る、猛者某、有名カメラマンもいた。それが伝説でもあり、自慢していた。そのカメラマンの撮影を見て、卒倒しそうになったこともある。別に撮り方はよいとして、どうやって選ぶのか不思議だった。
まあ、僕は一日どんなに撮ったとしても100本、3600枚は限界だ。(それでも驚くひとはいるだろう)
逆を言えば、シャッターを切らないカメラマンもまた多い。35mmのワンカット、ワンカット丁寧に撮る写真家もいる。
特に、モータドライブでなければ、そんな狂った枚数はありえないだろう。グラビア写真の、特殊な写り方は、もしかしたら、撮る枚数による特別な世界なのかもしれない。スポーツ写真もそういうところがある。被写体に反応する撮り方とでもいうのだろうか。
ロバート・キャパは、ロシア取材で3000枚以上撮ったという。相当なカットだったようだ。ところが、日本では10000カットぐらい撮ることになるだろうと言った。
残念ながら、日本取材なかばでインドシナに行き、結局は2181カットしか撮らなかった。しかしそれでも、モータドライブのない時代、レンジファインダーのコンタックスⅡ、ニコンS,キャノンⅣSVで、撮っていたことを考えると、ロバート・キャパの撮影スタイルは、撮りまくっているという印象だ。
「ロバート・キャパ最期の日」でも触れたが、カメラ毎日の編集者、金沢秀憲は、キャパの撮影スタイルは乱写型だと書いている。いちいち構図を決めて撮るタイプではないようだ。しかし、現代のカメラマンから見ると、キャパが一生に撮ったカット数は、1ケ月で撮ってしまうかもしれない。数打ちゃ当たるわけでもなし、結局は何を撮るかだ。そういう意味ではたくさんとったからといって、キャパには永遠に勝てないだろう。
MD(マイクロドライブ)の話に戻るが、もちろんそれのみを使うことは不安だったので、ほかに、256MBのCFカードを2枚持っていたが、ほとんど使うことはなかった。
そのMDは、3枚とも、2004年の1月までは、快調に動いていた。
もちろん、カメラから出した場合は、細心の注意を払って使ったが、カメラに入っているときは、フィルム時代と同じようにカメラを扱った。
僕はカメラの扱いのよいほうではない。特に短焦点レンズしか使わなかった時代、KISSデジタル以前は、カメラは最低いつも2台、もしくは3台を、別々のレンズをつけて持っていた。一番はカメラ同士がぶつかるということだ。
だから僕がカメラを使うと傷だらけになる。
それでも、MDは、快調に動いていた。誰だ、すぐ壊れるといったのは。
実際使って見なければわからないし、メーカーの相性もあるだろう。MDと使っていたのは、そういうMDは、危険だという単純な神話を疑っていたからだ。いまや、iPodのなかに、4Gのマイクロドライブが入っている時代だ。
それでも時々、カメラが止まることはあった。そういうときは、電池を抜いて、再起動した。それでも、特別問題はなかった。
それが、2004年の春、クラシックカメラの大御所、某、田中長徳氏の六本木のオフィスに行ったとき、彼の持つ、ミノルタのコンパクトカメラ、?、なんだか忘れたが、たまたま田中氏が、メディアを持っていなく、じゃあ、そのとき僕が持っていたキャノンKISSデジタルから出して、運良く数枚しか撮っていなかったが、そのカメラに入れたが作動しない。相性かなと思ったが、僕のKISSに戻しても動かないではないか。うんともすんともいわない。フォーマットもなにもきかない。帰って、パソコンでフォーマットを試みたが、結局それは死んだ。いまでも、後ろにXマークをつけて置いてある。
なぜ壊れたかは不明だ。でもすでにそのときに2年近く酷使しているので、まあ、原価償却は十分だ。
ところが、残った二つのMDのことが心配になった。Canon以外に、気楽に使うことが怖くなった。もし、かなり撮ったもの、仕事の最中だったらどうなるだろう。
その頃から、もう一枚のMDが、不調になりはじめた。300数枚撮りのうち、残り280枚ぐらいでエラーがでるようになった。そのたび、電池を抜いて、再起動した。数回繰り返しているうちに、また正常に撮れるようになる。
パソコンで開くと、モザイク上になった絵が続く。その場所を過ぎると正常に戻る。ただ、前回のように全部がだめになることはない。
以後、それはだましだまし今でも使用していた。まあ、3年持ったのだから寿命だろうかと思っている。
それにしても、当たり外れはあるのだろう。一枚のMDはノン事故、今でも快調だ。
いまや、マイクロドライブ4GB時代。
僕がマイクロドライブを使って不安をさほど感じなかったのは、撮影すればその日のうちに絶対にパソコンにコピーしていたからかもしれない。時間があれば、CDRまで焼き付けていた。
MDにいれたまま、何日も放り出すようなやりかただと、ちょっと心配だったかもしれない。
さてさて、ストレジャーやマックのiPodPHOTOまである時代。メモリーカードはどうなるのだろうか。
まあ、どちらにしても、パソコンへの読み込み、CDR,DVDへの書き込みが、数倍早くできるようになると、よいのだが。これまでの3年間はこのやりかたで正解だったと思うが、これからは何がベストなのか、考える必要がある。
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