ロバート・キャパ写真展開催中 その1
今日から、東京日本橋三越本店で、ロバート・キャパの写真展が開催されている。期間は短く、15日から20日(日)まで。タイトル「ロバート・キャパ写真展 キャパ・イン・カラー」だ。10:00-7:30(最終日6:00)
1935年に世界で始めて、コダックより、カラーフィルム、コダクロームが発売された。
映画などはそれまでいろいろな方式でカラーがあったが、フィルムとして完成したのは、それが初めてだ。
キャパは1938年には、コダクロームを持って日中戦争の取材をしている。残念ながらそのフィルムは、消失しているが、その後、2次大戦や、へミングウエー、日本、インドシナ戦争を撮ったカラーフィルムが、近年、マグナムの倉庫から発見された。
コダクロームフィルムは、外式といって、現在多く使われている内式のフィルムと違い、カラー発色剤が乳剤のなかにはなく、あとで染色するやりかただ。
ほんの10数年前までは、35mmフィルムは、コダック独占のそのコダクロームフィルムが代表的なフィルムだった。当然僕も使っていた。
そのルーツにあたる、コダクローム(ASA12=ISO12)をキャパは使った。もう50年以上も前のフィルムだ。
1936年にはアグファ社から、現在と同じタイプの内式のフィルムが発売された。コダックも1940年代に、エクタクロームを発売している。しかし、当時の内式のフィルムは、耐久性が劣り、50年たったいまでは、画像が喪失したものや極度の変色で、みるかげもない。
ところが、世界最初のカラーフィルム、コダクロームはその特性から、きわめて耐久性が高く、50年以上もたった今でも代わりのない発色をしている。
コダクロームについて、「僕のコダクローム」というBlog連載がある。
キャパの今回の写真は、キャパのカラー写真がうまいかどうかではなく、その時代にすばやく新しいものに挑戦するキャパの心意気と、多くの傑作写真を撮ったキャパの、しかし実は、空気を吸うように、常に何かにシャッターを切る、名作を作ろうというのではなく、キャパはキャパの周りの日常に引かれる何かを、常に記録していたのだ。
だからこそ、さまざまなものに出会い、それを素晴らしいポジションで撮影でき傑作をものにしたのだと思う。
今回のカラー写真はだから決してキャパの傑作写真ではない。
しかし、構えることなく常にほんの少しでも興味を持てばシャッターを切る、
キャパの現代的な撮影方法が垣間見れると思う。
今日、僕は夕方会場に行ってみるつもりだ。
●「ロバート・キャパ最期の日」Homepage
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