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2005.05.03

アート・フォト オリジナルプリント売買その2

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アートフォトその2  
その1はここをクリック
思いつきで、オリジナルプリントの売買について、前回その1で書いた。いろいろ調べているうちに、以前東京代官山にあったBliz Internationalという写真ギャラリーのアートフォトというサイトにたどりついた。代官山のビルのなかにあったそのギャラリーは10年以上まえだろうか、OPENしたばかりのころ、知人に紹介されオーナーに会った。そこはこじんんまりとしていたが、いわゆるアメリカにあるような、洒落た写真ギャラリーで、海外の作家のオリジナルプリントを扱っていた。
当時僕は、ギャラリーで写真を売買することにまったく興味がなかった。自分の撮っている写真と、海外の著名なな作家の作品が、同じ土俵にあるとも思っていなかった。だから、そのギャラリーが、僕の事務所の隣にあっても、エレベーターに乗るのが面倒だったのか、その後、訪れることはなかった。
それが、思いつきのように、オリジナルプリントの売買について、考えているとき、ネットで調べたら、Blizのサイトにたどりついた。そこには、国際的なアートプリントの仕組みや値付け方法、理由が詳しく載っていたからだ。
20年ぐらいまえニューヨークに行ったとき、いくつかのアートフォトギャラリーを巡った。そこで写真が他のアート作品と同じように売買され多くの写真のコレクターがいることを知った。その売買の仕組みは、同じような複製芸術であるリトグラフのようなものだと理解していた。
Blizのサイトで、オークションガイドや、買い手ガイド売り手ガイドを読んでいていくつか疑問点があったので、直接電話することにした。
電話は、ギャラーのオーナーにつながった。僕は「横木と申しますが…」というと、オーナーは「横木安良夫さん?」と言う。彼は僕のことを覚えていたのだ。事務所の隣にあったギャラリーのサイトだとそのとき知った。今は目黒にあるという。一気に打解け、僕は疑問点をいろいろ聞いた。彼はさまざまな話をしてくれた。
そのなかで重要なことは、アートフォトビジネスは世界中のなかで、すでに仕組みができあがっているということだった。日本ではまだ一般的に広く認知されておらず、各ギャラリーがばらばらに写真を値づけして、販売しているのが現状だと言った。しかし本来アート・フォトの値段は、需要と供給のバランスで値段が決まるもので、かってに値段をつけるものではないという。僕のように、作家が自分で値段をつけるのは、よくないと言われた。それは個人的には問題ないとしても、そういう写真は国際的なアート・マーケットには参入できないからだ。写真を売るには、きちんとギャラリーと契約する必要があるとアドバイスされた。うーんそうか。僕はこの点について、Blizと直接あって話し合うことにした。
【閑話休題】
さて、前回に書いたことは、何もぼくの写真をアート・フォトとして売りたいというのが本意ではない。Blizにしても、そうやってきちんとした国際的なルールで写真の売買をしているけれど、海外であれだけ盛んなこのジャンルが、日本ではまったく認知されていないからだ。売る側も、コレクターもごくわずかだ。なにしろ30年以上も写真を撮っている、僕でさえ(もともと僕は不勉強家である)よく知らないのだ。一般の人が、写真を買うという発想さえないのではと思った。だから草の根運動として、誰もが写真をネットで売買するということをやってみてはどうかというのが僕の提案だ。Blogに自分の写真をアップして、値段をつけるのだ。僕の実験的なBlogサイトを参考にしてほしい。(この値づけは事情により削除するかもしれないが、当分はUPしておく)。価格はまずは、自分で決めればいい。通常のオークションサイトに参加するのもよいかもしれない。ジャンルは、「アート・フォト」でよいだろう。なにより、新人カメラマンやアマチュア写真家、アート・フォトに新たに挑戦する写真家も自分の撮った写真を売りたいと、宣言することが重要ではないのだろうか。特にアマチュアは単に自己満足的な趣味ではなく、アート・フォトとして多くの人に自分の作品をアピールすることはよいのではないか。第一段階として、売れなくてもよい。そういうジャンルがあることを多くの人に知ってもらうことが大切だからだ。
結論としては、そこからギャラリーがよいものをピックアップして、契約できたらよいと思っている。そんな仕組みを今考えている最中だ。
●アート・フォトサイト

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Comments

今日、近くのある大型ショッピングセンターに行って所謂絵画というのではなく、ちょっとお洒落なインテリア感覚の絵が販売されているコーナーがありました。
値段は2000円から20000円くらいまででフレーム込みでしたから、果たして絵を売ってるのかフレームを売ってるのか、という感じもしないではありませんでしたが、まぁ兎に角売ってるのです。
で、ふと思いました『何故写真がこういう感覚で売られていないのか』と。

写真は誰でも撮れるし少なくとも日本では誰もが撮ったことがあるけれど、その割りにギャラリーで人の写真を見るというのは結構限られた行為です。
それは写真を撮ってる側にも変な拘りがあって無条件に写真を見せている人は少なく、写真を見せているサイトを公開していても、アマチュアでは拘りや自己主張が強いか、逆に単なる自己満足でレベル云々以前のサイトかのどちらかで、プロのサイトは敷居が高い。
本来写真は写真そのものに価値がある筈ですから、兎に角色々な写真が見られて気に入れば簡単に購入できる。そういうサイトやBLOGであれば『写真を買って飾る』ってこともし易くなるような気がします。

Posted by: ほわいと | 2005.05.04 01:23 AM

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