写真展「TeachYourChildren」その4
写真展「TeachYourChildren1967-2005」その1
なんども書いているが、来年1月、アートフォトサイトギャラリーで写真展を開催する。テーマは、「世代」TeachYourChildrenだ。
僕が若かった1960年代後半から2005年までの、若者を中心とした写真で構成される。そんなわけで、僕は今、かつての写真を再セレクトしている。今まで何度か写真展などで紹介はしているが、世代といったテーマで選んでいたわけではない。昔のコンタクトプリントを見ると、スナップショットに関して言えば、今とさほど変わらない。いやある意味もっと何も考えていなかっただけ自由だ。変わったことは、写真を見る目であり、若いとき選んだ写真は、その時代の空気で選んでいるが、今の僕は違った写真を選ぶことも多い。
昔の写真に一番ひかれるのは、やはりスナップ写真で、それは、セッティングした写真とは違う力がある。
やっぱり写真は記録性だと、簡単には言えない。
作られた写真、ファッションや、広告写真は、かえってその時代の空気がはっきりと写っている。言い換えれば時代の願望が写る。
それにひきかえスナップ写真は、その時代の生の部分があるために、かえって普遍性を感じてしまう。いや、そうではないかもしれない。ぼくが撮るスナップ写真は、もしかしたら「時代の願望」を撮ろうとしているのかもしれない。それは、ファッション写真のアプローチだ。僕の写真には、目で見える真実を伝えたいという気持ちが希薄なのかもしれない。僕は、写真は記録だといわれると、そうだと答えるが、しかし写真は、現実の記録だとは簡単には考えていない。以前にも書いたが、写真は、現実の「影」の記録だと思っているからだ。
日中、道路にのびる自分の影を見て、自分が写っているなんて思う人はいないだろう。
自分の影は、あくまで影だ。しかしその影からいろいろ想像することはできる。男か、女か。とか。
写真もあたかも現実に近いようにみえても、実は現実の影であることを忘れてはいけない。
このへんは、ことばたらずでわかりにくいと思うが、本にでもするときにきちんと書く。
写真は現実が記録がされているのではなく、現実の影が記録されている。
などと、つれずれなるままに、適当なことを書いているが、話は変わって、昔の写真を見ていて、いったいそれはなんなのか、などと思うことも多い。すっかり忘れているのだ。写真のなかに写っている住所から、それがやっと判明する。
話は飛ぶが、実は、僕は今暗室がない。膨大なモノクロ写真は、スキャニングすることによって、そしてデジタルプリントすることによって、表現してみようと思っている。スキャナーは、コニカミノルタのDMAGE SCAN ELITE54002を使っている。なかなか優れているし、テストして、モノクロ35mmのスキャニングが可能だと判断した。すべてモノクロイージーモードでのスキャンだ。もちろんカラーは文句ない。ただモノクロのネガのスキャンはかなり難しい。適正現像ではないネガを作ってしまったときのように、いろいろ調整しなければならない。
もうひとつの問題は、モノクロのネガは通常、6こまずつスリーブ状になっているので、スキャンは1こまか、6こま全部の二通りしかこのスキャナにはチョイスがない。モノクロのスキャンに限らず、カラーだってスリーブが多い。
やはり6こまのうちの何こまかを、任意に選びたいものだ。その変の使いでが悪い。ずっとスキャナーにへばりつかなくてはならない。
やはり技術者とは、本当には使っていないだなと思う。でもお勧めなのでここに紹介しておく。
さて、実は、下の写真は1970年に、練馬区氷川台で撮影した、米軍施設だ。(実際は船橋)
8月22日Blog参照
旧日本軍の施設を摂取したものだろう。今は返還され、公園にでもなっているのだろう。
この施設の情報、これについて触れているホームページをご存知のかたは、教えてください。
このときは、ちょうど返還されて、解体しているときだと思う。モノクロームで、150カットほど撮影している。
かつてはこういう施設よくあった。戦後まもなくは、アメリカのなかに日本が含まれいていたが、このころは日本のなかにアメリカが存在していた。そのこととが僕の大きなテーマのでもある。
いってみれば、石原慎太郎は、明治、大正といった、近代日本の申し子だが、僕らの世代、僕は、どう考えてみてもアメリカの文化的混血児だから。
こういう施設は、たいてい立ち入り禁止だが、気にせず堂々と入り、写真を撮ったものだ。工事関係者に注意されても、なんだかんだ言って撮っていた。まあ、おおらかな時代だった。
かつて写真を撮ることは特別なことだったが、いまや携帯でも撮れる。もはや特別扱いはされない。
NikonF KowaSW28mm AsahipentaxSP フィルムは、フジの映画用の100Feetを使っている。正式名称は忘れた。ネガを見ても、Fujifilmとしか書いてない。
追記
友人の写真家北畠健三氏が、フジのFS100だと教えてくれた。
The comments to this entry are closed.
Comments
米軍施設跡です。その前に日本軍の施設だと思います。僕が撮ったのは、解体している最中だと思います。以下、8月22日のブログを参照。
Posted by: 横木安良夫 | 2005.08.22 11:52 AM
米軍施設と紹介されていますが、門柱の看板は「**工業株式会社」とかすかに判読できるのですが。
画像では読みとりづらいですが、ネガからなら判読できるのではないでしょうか?
Posted by: satobo | 2005.08.21 11:49 AM
米軍施設と紹介されていますが、門柱の看板は「**工業株式会社」とかすかに判読できるのですが。
画像では読みとりづらいですが、ネガからなら判読できるのではないでしょうか?
Posted by: satobo | 2005.08.21 11:49 AM