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2005.09.01

Eos5D 35mmフルサイズデジタルはいらない!

●Canon Eos5D 発売!! 35mmフルサイズデジタルはいらない!?

1967ginzanevy
Ginza 1967 オリンパスペンSネオパンSSS

この写真は本文と全く関係がありません。ただフォーマットという点で関係あり。カメラはハーフサイズのオリンパスペンS。1963年、市川駅前の写真店で買った。ビニールレザーのつんとした匂い、接着剤の匂いだろうか、昔のカメラはどれも、においがあった。

●Canonから、Eos1Ds,1Ds2に続いて、ついに5Dが35mmフルサイズで発売される。
「あー、遅かったな」というのが素直な感想。もう2年も前に、この値段、いや倍の値段でも発売してくれれば、必要と感じたかもしれない。

35mmフルサイズは、亡きコンタックスデジタルが600万画素ながら、値段と性能に負けた。
僕はずいぶん前から、EosD30がでたときから、そのCCD(CMOS)を二つ並べた600万画素でフルサイズが欲しいと思っていた。デジタル35mmも、フルサイズじゃなければと思っていた。
しかし、その間にデジタル一眼の主流はAPSサイズになっていった。
僕はAPSサイズになかなか馴染めなかった。いつも中途半端な気持ち、
過渡期だと落ち着かなかった。
ただ、600万画素は、気に入っていた。35mmフィルムと同等の雰囲気を持っていると思っていたからだ。
それ以上の高画素化は、35mmというより、120フィルムブロニーのような、ぬめっとした質感に写ってしまう。
35mmの代わりのカメラとして、僕にはしっくりこなかった。

●写真はなんでも高画素、高画質になればいいのではない。
高画質になることによって失うものもあることを知らなくてはならない。
モノクロプリントにしても、ファインプリントばかりがモノクロプリントではない。
モノクロプリントが、すべてアンセル・アダムスのような、美しいプリントになったら気持ちが悪いじゃないか。
情報が少なければ、「スピード感」がでる。情報が多ければ重厚だ。いや鈍重ともいえる。

●僕はもともと、さまざまなサイズ、フォーマットのカメラを使っていた。35mmは、35mmであり、
6x6は6x6、4x5は4x5独特の世界があるのだ。
粒状性だけを求めて、大判カメラを使うわけではない。
35mmは、6x6や4x5の代用には絶対にならない描写性がある。フィルムではそれは厳然としたものだった。
巷で言われるように、大型カメラになると、もちろん情報量が増えるだけではなく、ピントの浅さ、描写性の違いがある。そんな細かいことではなく、並べてみれば違うことはすぐわかるだろう。
拡大すれば、一緒!いや拡大しても決して一緒じゃない。

●さてピンホールカメラのことを考えてみよう。
ピンホールカメラにはある必然的な大きさがある。
なんだって、必然的な大きさがある。蟻があの大きさなのも、人間の大人がこの大きさなのも。
もちろんカメラオブスキュラだったら、“部屋を使った巨大なカメラ”も可能だ。
もともとは部屋から発想されたものだからだ。
しかし、問題はレンズの代わりの穴、ピンホールだ。物理的にも光学的にも、最適な大きさがある。だからあまりに小さなピンホールカメラは難しい。
ピンホールの変わりに、レンズを使用する、近代カメラオブスキュラができあがり。そしてフィルムが発明された。すると、そんなに巨大なものは作れなくなった。
ちょうどよい大きさに落ち着く。
そして、小型化が進み、銀塩カメラの全盛期が訪れた。

●さて、大型カメラの優位性とはなんだろう。
ピンホールでもOKなフィルムサイズでは、特別高性能なレンズでなくても、きちんと写真が写るということだ。
だから大型カメラは決して、精密機械なんかではない。

8x10ポジフィルムをルーぺで覗いた経験のある人は、さして多くないかもしれない。
ルーペで覗くと、35mmとは別世界の、ボケボケの世界に驚くだろう。
大型カメラとはそれだけ優雅なものだ。
逆を言えば、35mmレンズはF-1のレーシングエンジンのように、究極にチューナップしたレンズともいえる。
しかし印刷してみると、大型カメラで撮ると、35mmとは全く違う世界が定着している。
大型カメラの超広角レンズは、35mmのようにゆがんだりはしない。それは工学的に無理のないレンズだから。
この銀河系、太陽系、地球、という、3次元の世界ではものの大きさには、自然の摂理が働いている。
だからルーペで覗けば8x10はボケボケでも、手にもち、肉眼で見ればはっきりと写っているのがわかる。あたりまえだ。
同じ距離で、35mmフィルムを手に持ち、肉眼で見れば何が写っているだろうか。あたりまえだが、ディテールはわからないはずだ。
拡大したりしなければ、見えない世界と肉眼で見える世界は違う。
このことは単純なようでいて、とても重要なことだ。

●さて、さて、銀塩カメラの優位性の最大のものは、その経済性だ。
35mmフィルム1本を、6こまずつ切って、並べてみる。するとちょうど8x10フィルムと同じぐらいのフィルム面積になることがわかる。
そしてその35mmフィルム一本と、8x10フィルム一枚の値段はほぼ同じだ。しかも現像代も同じぐらい、カメラだって35mmカメラと、8x10カメラは変わらない。
それだけ銀塩の世界は平等なのだ。
だから、撮影者は、コストに関係なく一番自分の表現に合ったカメラを使う。
金を出せば、高画質のデジタルカメラとはそこが違う。しかも銀塩は、10年持つのはあたりまえ、50年現役のカメラだってある。

デジタルは逆立ちしたって、銀塩のような平等性はない。
撮像素子は、大きさによって格段の階級性がある。
しかしそれでも、いまや、デジタルカメラ時代だ。
デジタルは35mmフルサイズぐらいから、極小カメラまでが適正だ。
銀塩カメラから見れば、スパイカメラのような携帯電話カメラはいまや日常ではないか。
まあ、ある意味、小さいほうに向かって言えば、デジタルはかなり平等だ。
しかし、ルーペが必要な世界は、と不要な世界とは違う。

●僕はいままで、銀塩時代にはさまざまなフォーマットのカメラを使用してきた。
大きなカメラを使うにあたって、じつは情報量、粒状性を望んで選ぶということはほとんどなかった。
それより、大判カメラの、35mmカメラにはない、描写性を重視していた。(雰囲気とでもいうのか)
逆を言えば、なぜ35mmカメラを使うかといえば、機動性ばかりではないということだ。
35mmカメラで撮ったように、らしく描写してほしいと思うからこそ、35mmを使った。
もちろん動体を撮るのに35mmは必然だった。
特にオートフォーカスになってからは、スピーディな撮影は、35mmカメラの独壇場だった。

だからこそ、デジタル時代になったときに、僕は35mmの代用として、デジタルに求めた。
ところが、フルサイズはなかなか発売されなかった。コスト、経済学の壁があるからだ。
それでも先に書いた、コンタックス一番早かったろうか。そしてEos1だ。
ところが、Eos1、1100万画素をテストしてAPSサイズ630万画素のカメラKissDと比べ、特別アドバンテージがあるように思えなかった。コストは10倍だ。
しかもデジタル家電だ。銀塩カメラのように何十年も(僕は30年以上使っているカメラがある)使えるわけではない。それなのに、100万もするカメラを買うやつは馬鹿だと僕は思っていた。
残念ながら僕はとても原価償却ができない。
僕はAPS-Cで十分だと思いはじめていた。そんなこんだするうちに、すっかりAPS-Cに馴染んでしまった。
人間とはなんて、あきやすく、順応しやすいのだろう。
いつのまにか、35mmカメラの代用、代用といういいかたは好きではないが、機動性メインカメラはAPS-Cデジタルになったしだいだ。

●だからもう、35mmフルサイズデジタルはいらない!!!

なによりもカメラメーカの高額レンズが、APS-Cサイズカメラでは宝の持ち腐れでCanonは、危機感を持ったのだろう。なにしろ、レンズメーカーのレンズは、かつてアマチュア以外見向きもしなかった。しかしいまや、誰でもテストができるので、高倍率ズームが実用上全く問題ないことを知ってしまったのだ。そうなると純正レンズを誰が買うのだろうか。やはりその答えは、35mmフルサイズなのだろう。

●だからって、35mmフルサイズデジタルはなんかいらない!!

といったところで、実は、僕は大型撮像素子を持ったデジタルカメラが不要だと言っているのではない。
超高画素デジタルカメラには興味しんしんだ。銀塩カメラにはない、雰囲気の写真が撮れるだろう。

2200万画素のデジタルパックが今あるが、35mmフルサイズデジタルも、じきその領域、いやそれ以上、8x10フィルムを超えるような情報量の、デジタルカメラの出現も遠い未来のことではないだろう。
そんななかで今、一番近いのは、マミヤのデジタルだろうか。と思いつつ、さて、と思う。マミヤデジタルのあの大仰さ。レンズの種類だって多くない。
さて、これから本題だ。

●35mmフルサイズデジタルカメラなんていらない?

先日あるコマーシャルでEos1Ds2を使用した。スタジオ撮影、2200万画素のデジタルパックのチョイスもあったが、なにしろレンタル、パソコンとオペレーターつきでも、僕が払うわけではない。僕は実用としての、1Dsを試すべく、撮影はRawとJpegを併用した。しかしパソコン直結で撮ると、すぐにカメラは止まってしまった。連続10枚も撮れるだろうか。このへんはデジタルパックのほうが優れているといわれているが。
パソコンと直結せずに使えば、もちろんもっとスムーズに撮れるが、デジタルのよいところは、撮りながらにして確認できることだ。まして広告。アートディレクターとの共同作業だ。スタジオでの撮影ならば、パソコンで確認しながら撮るのは当然だろう。1DSスピードに関してはまだまだだと痛感した。

いや、問題はそんなことではない。なぜ、僕は銀塩時代、スタジオで35mmカメラを使わなくなったのだろうか、と思いをはせた。
それは、フジフイルムのベルビアが発売され、コダクロームを使わなくなってからだろいうか。いや、そうではない。
スタジオでポートレイトを撮るとき、35mmの24x36mmというフォーマットが使いずらいからだった。それでも35mmコダクローム25、64を使いたいときは、35mmを使った。しかしエクタクロームPでもよい場合ならば、6x6か、そしてついには、僕のメインカメラはマミヤの6x7になった。なぜならば、人物縦位置を撮るとき、2:3のフォーマットはあまりに縦長すぎたからだ。というより、横位置で使うときはそれほどでもないが、ポートレイトやファッション写真のほとんどは縦位置写真だからだ。
そうなると、実用上、印刷物のフォーマット上、天地切ることになる。
いや問題は、2:3のフォーマットだと、無駄が多すぎるということだ。
それは6x6の無駄とは違う。6x6ならば左右が切れることを頭に入れればよい。ところが35mm縦位置は天地で合わせると、左右の余裕がついなくなってしまうからだ。いつも実用上、仕上がりサイズを頭に叩き込む必要がある。まぬけに天地に余裕を持たせて撮ることになる。左右の余裕は写真にはさほど影響ないが、天地を空けると、なんと間の抜けた写真になることか。
さてここからが僕の、主張だ。

●今までの35mmフルサイズはいらない!!!!!

いまや、デジタルでは細かいフォーマットは無意味になった。
フィルム時代のマウントもない。自動現像もない。それなのになぜ、35mmフルサイズ、2対3にこだわるのだろう。
かつてニコンSには、24x32というサイズで発売された。40枚撮れるとかの理由だが、
しかし、アメリカで、マウント、自動現像の事故があいつぎ、結局24x36mmにおちついた。

映画やテレビは常に横位置で見る。
しかし写真のほとんどは、プロの仕事において、特に人物撮影では、縦位置が多い。

マミヤの6x7は新設計のレンズを発売するのだろうか。いや、645や、67のレンズを代用するのだろうか。
さて、35mmである。

●提言と結論

確固たる世界遺産の35mmレンズシステム。
このレンズに最適のデジタルカメラのフォーマットはなんなのだろうか。
同じ面積からだったら、フランジバッグ、ミラー、の再設計は必要だとしても、3x3cmの正方形フォーマット、いや実用的にだったら、645相当、26x34mmのサイズ、いや35mmのイメージサークルから割り出した、無駄のない最大サイズのフォーマットはないだろうか。

そんなサイズのカメラを、どこかがださないだろうか。前提として、35mmのレンズシステムを持っている必要があるが。
そうなると、デジタルパック、マミヤDなどと比べ、格段の性能を持った、新しいフォーマットの高画素デジタルカメラができるのではないだろうか。

だから、今までの35mmフルサイズ(24x36)フォーマットはいらない。

なぜならば、高画素カメラはプロ機材であり、実用カメラでもある。
35mmレンズの新たな挑戦、可能性にもなるだろう。
しかも今までの35mmカメラの大きさ、技術をきちんと使える。

1200万画素以上のデジタルカメラは、銀塩の35mmと雰囲気が違うという問題。
描写が、重厚すぎる問題。それはすでに中盤カメラの写り方だ。

ましてこれからの、35mm1600万画素超のデジタルカメラは、
中盤デジタルカメラやデジタルパックと同じ土俵で戦うようになるだろう。
4000万画素超のカメラも時間の問題だ。そんなときに、今の35mmフルサイズフォーマットの
意味があるのだろうか。
あじるように、35mmフルサイズデジタルはいらないと書いたが、
本当は、未来に向けた、超高画素、35mmデジタルカメラのフォーマットについて、
24x36mmを問題にしたかったのだ。
Eos5デジタルはいい。1200万画素だ。まだ35mmの範疇である。
しかし将来、35mmレンズシステムを使用した、合理的ないフォーマットが必ず求められるだろう。

★そういう意味で、新しいフォーマット、
NEW35mmレンズ用フルサイズ・デジタルカメラの出現を望む!!!!

注 
デジタル専用レンズでなければって発想は、写真を撮らない人の考えること。
カメラメーカーや、技術評論家に踊らされている。
こんなレンズじゃデジタルカメラの性能が発揮できない。
やれやれ。
きっちり写るばかりが写真ではない。完全な発色がなんだっていうんだ。
そういうレンズこそ、商品撮影には不向きでも、
自分にぴったりの描写かもしれない。レンズの性能で写真を撮るのではなく、
どんな「くそレンズ」だって、個性ともいえる。
写真家はレンズやカメラの技術者ではない。昔はそうだったかもしれない。
それでも、写真の先駆者の、世界が画像として定着した感動を思えば、
レンズの性能、カメラの性能ではなく、世界がストップモーションで定着する、
たった170年前に、人類が獲得した感覚のひとつ、
その感動こそが一番大切だと気がつくだろう。

●過去の写真関係、粒状性、などなどインデックス

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Comments

同じ事を考えていました。24×32ぐらいと思っていたが、レンズ、受光部を最大限活かすとなると26×34ぐらいがいいですね。ちーとミラーが大きくなるかな。

Posted by: shimo | 2005.10.22 03:41 PM

alphotoさんフォローありがとうございます。
3.1ですか。まー周辺はボケ気味の方が雰囲気がでて良いかもですね。要は正方形ならいいということで。景色用に21mmかなんかついてどちらかというとレンジファインダー式が欲しいです。(^_^)

Posted by: maru | 2005.09.02 11:06 PM

それは理想ですが、残念ながら35mmのレンズではイメージサークルがたりないでしょう。いいとこ3.1x3.1ぐらいしか、正方形では不可能です。

Posted by: alphoto | 2005.09.02 09:48 PM

こんばんは。初めましてmaruと申します。
私は36×36がいいと思います。後で縦にでも横にでも好きな様に
トリミングしたらいいんですから。

Posted by: maru | 2005.09.02 09:42 PM

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