後姿 その2
TwilightTwistより Mamiya67 110mm RVP
気楽に後姿の写真を 「後姿 その1」で紹介したが、考えてみると後姿の写真は奥深いと思った。
顔を見せないことによるイマジネーションの自由さに目を奪われがちになるが、もちろんそういう写真、上や下の写真のように、後姿だけで何かを語ろうとするものもあるが、特ににフィールドで撮るスナップショットでは、被写体となった後姿の人間の、その人の目の前に広がる景色を一緒に見ているといった、二重構造になっている不思議さもある。
花椿 TwilightTwistより Mamiya67 110mm RVP
正面から撮った写真は、被写体になった人は、当然自分の背後に広がる風景を見ることができない。目の前に広がるのは撮影者と、たとえ撮影者を意識しなくても、撮影者の背後の風景を見ていることになる。
そこには、視覚的な交錯、異空間が広がっている。
写真とは当然、単に美的な表現だけではない。
世界や人間の存在、それは目の前に広がる世界と、カメラと、撮影者と、被写体の、偶然なる邂逅であり、そこがフリーズされて残る、それは決して論理的な、数学的な、光学的な、無機的な記録ではない。現実に生きている自分自身と、同じ時代、同じ空間に存在して、無意識だとしても、一瞬すれ違うときに生まれる、現実との相互作用の記録なのだろう。
ベトナム少数民族 花モン族 EosKissDigital
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