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2005.10.17

LightPainting TwilightTwist

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1991年アサヒカメラ表紙 マリオ 
五反田の連れ込みホテルの壁はまるで60年代の、ポップアートのようだった。自然光と、TWILIGTTWISTのミックス。マミヤRZ67 RVP

なにげなくネットサーフィンをしていたら、面白いものを見つけた。
LIGHT PAINTING
DeanCamberlainhttp://juliadean.com/paintingwithlight.html
http://www.kazmaslanka.com/photos.html
http://www.photo-seminars.com/Seminars/PaintLight/Paintlight.htm
http://www.sentex.net/~mwandel/photo/night-photography.html
CANNIBAL FLOWER
FLOWERS

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1990年 花椿 HAWAII
僕が20年ぐらい前に思いついた、ペンライトによる撮影をしている写真家が、現在世界にはたくさんいることを知っている。たしかフランスにもペンライトを使うファッションの巨匠がいた。
誰が最初に思いついたなんて、野暮なことだ。ペンライトの手法は、昔からある。ただファッションやポートレイトに使ったのは僕が最初だと思う。1986年に思いつき、きちんと発表したのは、1989年のアサヒカメラ11月号だった。
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その後デジャブの創刊号でも紹介している。その頃、これに近い手法は、アメリカの、「ホースマスター」というシステムだ。ライトを、たぶんグラスファイバーのコードで引き、動かないもの、特に物撮りに使用する。人間を撮影するのは無理だったようだが、そのライトシステムも100万?ぐらいしたと思う。銀一が扱っていた。その頃は、僕はTwilightTwistを、人間でも撮っていたので、しかもライトは、1000円ぐらいの懐中電灯で何でも、撮れる。このライトシステムの日本での販売を阻止してしまったかもしれない。
今、絶版で、AMAZONでも見つからないけど、1994年に小野みゆき、「NO」という写真集はかなりこの手法で撮影している。今はなきスコラ社発行で、ISBN4-7962-0152-1で、定価3800円。スコラ社がなくなったせいだろうか、この本は初版で6万部も刷った。かなりマニアックな本だったが、全部売れた。それなのに、アマゾンで見つからないのはなぜだろう。自分で言うのもなんだが、この写真集は絶対に見る価値がある。
ペンライトの撮り方は、面白いしなんでもできるけど、10年ぐらい夢中になってやって、実は飽きてしまった。
なぜだろう。90年後半からは、めったに使わなくなってしまった。怠惰なせいだけれど、いつもドキュメントな方法論を写真に持ち込みたいと思っている僕にとってどこか精神的、感覚的なハードルがある。僕は別に、ライトで絵が描きたいわけじゃない。だからライトペインティングという、言い方が好きじゃなかった。僕は写真を撮りたいのだ。しかし今考えれば、この手法はある時の僕には必然的だったかもしれない。
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1987年

1985年ごろ、ナイトフォトというジャンルがあることを知った。夜の長時間露光の撮影だ。それを車の広告でやってみようということになり、マツダの失敗作、エチュードの広告で試してみた。車は失敗だったが、広告はよかった。
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なにしろ、徹夜で作業して、一番の狙いは明け方だった。しかし、闇のなかで何度かテストをしているうちに、懐中電灯でちょっと白いフェンスに光を当ててみた。なぜだか僕のは、その光の明暗がとても気に入った。物や、風景はとても簡単だった。暗ければ、どんなものでも撮れた。このやりかたで人間は撮れないかとテストをした。試行錯誤の結果、実用になった。このころはきっとこんな光が好きだったのだろう。
1980年にはこんな写真も撮っている。矢作俊彦の小説「神様のピンチヒッター」のための写真だ。これは画面の外から、ペンライトを顔に照射して、数秒かけて撮っている。後のTWILIGTHTWISTは、画面の中にライトを入れて撮っているので根本的に違う。
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その前に、1976年ごろ、小型ストロボの日中シンクロにこっていた。今は都庁のある新宿西口。この頃は、まだ京王プラザと住友三角ビルぐらいしかなかった。イッセイミヤケのための写真だ。
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こんなふうにどこか僕は人工的な光が好きだったようだ。このあとにも、沢田研二のシリーズも、ストロボやライトを使って、人工的な写真を撮っている。

今、またTWILIGTTWISTの写真を撮るかは、わからない。デジタルになったので、やってみようかなと思っている。

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