写真展 67-75 TeachYourChildren 神田カルチェラタン9.12
写真展「Teach Your Children」 プレスリリース
今、来年の写真展の写真をスキャニングし、セレクトしている。あの時代は高度成長期であるとともに、世界的な反体制運動、スチューデントパワーが盛り上がったときでもある。街のなかのある部分は、まるで市街戦のようでもあった。もっとも本当の戦争とは違い、めったに死ぬことはない。当事者以外の野次馬?は、まるでスポーツ閑静するように、いやときには、このなかに加わり投石するものもいる。1968年9月12日は、神田が一番被害にあった時だ。被害といういい方が、僕でさえただの事件化としている。当時はそういうふうには思っていなかった。それより僕は、写真を撮ることに夢中だった。スニーカーにジーンズ、Tシャツという軽装。カメラはコーワSWだ。28mmのワイドレンズのついている、ファインダーがカメレオンのような奇妙なカメラだ。小さいがずしりと重く、武器にもなりそうだった。フィルムをポケットにつっこんで、僕は撮りまくっていた。撮っているときに恐怖感はなかった。ただできあがった写真を見ると、機動隊に向かっていったり、一所に並走したりしている。若さだな、と思う。今回の写真展では、この年のデモの写真がかなり入ってくる。アメリカとの混血児だった僕らは、この時代、アメリカ愛し、そしてアメリカを憎んだ。いやアメリカを憎んだのではない。ベトナムを蹂躙するアメリカに、そしてそれをのうのうと支持している日本政府に、「反体制」として異議申し立てをしたのだ。この季節がすぎ、オイルショックが過ぎると、若者の間で、POPEYEが象徴するような、アメリカ西海岸ブームが起きた。やはり皆アメリカが大好きだったのだ。
KowaSW28mm Tri-x 1968年9月12日 東京神田
この頃から、僕はノーファインダー撮影が得意だった。ただモータードライブではない。いちいち巻き上げなくてはならず、そんなにスピーディな撮影はできない。ASA(ISO)400、確か500分の1秒が最高速度だったので、絞りは16で、距離は3m固定焦点にしていたと思う。巻き上げ以外は、自由自在。ピントを合わせないので、そういう意味ではチャンスを逃すことはなかった。ただ、あわてて撮っているので、ブレるし、それに現像してわかったことだが、勢いよく巻き上げすぎて、すりっと状のキズがフィルムについた。
以前だったら、スポッティングをする気になれないくらい、まあ、このままでいいやと思うが、今ではスキャニングして、傷やホコリ、そしてコマによって、カビがはえていたりして(微小の)やれやれ・・・・それがデジタルだと綺麗になってしまう。昔のネガをプリントするのは結構難しいが、デジタルだと時間はかかるが(ゴミトリに)本当に、まるで修復するように綺麗になる。こんな報道写真のような写真も、じっくり、「何事だ!」と鑑賞したくなるほどだ。
写真は古くなればなるほど、値打ちがでるというが、値打ちというより、写真にとって、「時間は味方」だなと思うしだいだ。
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Comments
初めまして、今晩は
肖像権の記事のリンクから参りました。
本来なら下に書くべき物ですがTopに失礼します。
被写体の顔がわかるスナップも撮る身には非常に関心のある命題です。
リンク頂いて行っても宜しいでしょうか
Posted by: GG-1 | 2005.11.21 12:09 AM