モノクロ写真の色
●横木安良夫写真展 「TEACH YOUR CHILDREN 1967-1975」
19DEC.2005 AOYAMA
GRD ISO800 モノクロモード JPEG
PhotoshopElement +Yellow Noize4% etc. 横 72dpi 800pixelにリサイズ
GRDでモノクロ撮影したとき、僕はフォトショップエレメントで、青色を弱く、ということは補色の黄色を一番弱くしてたしています。その黒の色が僕は好きだからです。ウエッブ上のモノクロ写真のほとんどは、イエローを足しています。
銀塩時代、とくに昔は、リキッドタイプの現像液、定着液はなかったので、粉末から溶いて使っていました。モノクロ現像で一番コントロールが難しいのは、黒の色なのです。印画紙の号数によって黒が違います。また、現像時間、そして定着時間によっても、黒の色が変わります。同じときに時間をシビアに管理しながら定着すると、同じ黒になりますが、違う日に現像したとき、一番違うのは、黒の色です。 だから調子をそろえる意味もあって、調色(トーニング)をします。
デジタルのモノクロにすると、パソコン上でも気に入った黒にはならず、まして通常のプリンターでモノクロをカラープリントすると、黒の調子を一定にはできません。 僕の場合は、そういう場合、原稿をカラーにして、カラースキャニング原稿だったら、一度彩度を完全に落としてから、わずかにYellowを足します。たいていはそれで、気に入ったプリントができますが、ただ、空のグラデーションにわずかな色の浮きでることが、あります。
EPSONのPX5500はそこを、クリアーした最初の汎用機でしょう。その、5500のノーマルな黒、純黒調もわずかに、アンバーぽいといえます。僕はそれが好きなので、そのままの設定にしていますが、好みで変えることも5500だったらできます。
森山大道さんが、デジタルのレタッチを否定的、日本カメラ上で書いてますが、本当に否定しているとは、僕は思っていません。なぜなら、銀塩プリントのときに、ストレートなプリントを森山さんは決してしていないからです。森山さんの銀塩プリントは、アンセルアダムスのゾーンシステムから考えたら一番遠くにあるやりかたですが、森山さんはプリント方法のタブーをやぶった先駆者でもあります。まあ、なりゆきかもしれませんが。なにもせずそのまま、はあくまでひとつのやりかたです。
ただ、デジタルのマニアックな、まるで合成写真を作るような、レタッチは、僕も大嫌いです。第一楽しくない。料理を計量しながらするなんて、つまらないでしょう。
デジタルのレタッチは、暗室ではなく、明室作業と同じだと思えば、自由に何をやってもいいのではないでしょうか。特にデジタルのモノクロは、銀塩の暗室作業と同じように、とても感覚的に、リアニにやることができます。明るさやコントラストの調整だけですませるのは、あまりにも初歩的であるし、機械的です。自分の好きな調子、決して合成ではない、プリントは暗室以上に楽しいし、簡単です。
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