スタジオライティング プロの現場3
●その3 である、今日もまた同じライティングの紹介になる。
最近は基本はこのライティングになってしまう。少しサイドぎみのライティングだ。
ビューティーだったら、メインのライトを真正面、カメラの真上にセットする。雑誌の表紙など、圧倒的に正面ライティングが多い。あごの下にシャドーがついてあごのラインがすっきりする。以前は、ほとんど正面ライティングが多かった。今は少しリアルなほうが好きになったのだろうか、少しサイドぎみのライティングだ。
本当は女性の場合は、正面ライトのほうが美しく撮れる。でも完璧になりすぎるので、少しサイドから光を当て、陰影をつくり、隙があったほうがよいと今は思っている。
このスタジオは、ファティフが4台備えられている。一台に4灯の発光部があり、一灯につき1500w、あるいは3000wのジェネを使うこともできる。するとファティフ一台で、最大12000wになる計算だ。実際は調光してもっとw数を落とすことになる。今回は1500wのジェネを都合8台使用した。
●さて、最近の写真スタジオのライト事情を紹介したが、実際はこのファティフのようなライトを入れているところはあまりない。だからフラットなライティングをしたければ、「その1」で紹介した、巨大なトレペを使ったライティングが一般的だろう。
他に、ソフトボックスといった、箱型のストロボ1灯をディヒューズ(透過)光源を使うことが多いと思う。かつては
バウンズ傘でライティングすることが多かった。
それは、ともかくとして、ちょっとあまり知られていない、ライティングを紹介する。
●それは、天気の悪い日に、室内であたかも晴れた日の、さんさんと光があふれる室内撮影(風)の、ライティングだ。下がその一例。モデルは、おんな座りしたぼくである。
この光が何って?実は、晴れた日は窓が輝き、そして床に光が差し込んでいる。
それをストロボで再現しているのだ。
望遠レンズで撮ったら、絶対に自然光と見分けがつかない。目の中には明るく光の差し込む部屋が写っているはずだ。バウンズライトの利点は、その部屋の色彩に色がかぶることだ。それがマイナスではなく、自然に見える。
かつて銀塩時代、カラーフィルムは、デイライトとタングステンの2種類しかなかった。太陽の光は夕方になれば赤くなる。天気にも左右される。だからどうしたらストロボを使って、自然光で撮ったようにみせるか、苦心することになる。そんなとき、傘バウンズやソフトボックスでライティングすると、いかにもライティングしましたという写り方になる。部屋の壁や、天井にうまくバウンズすると、本当に自然光で撮ったようになる。
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