季節はずれの菊と複製について
●季節はずれの「菊」の写真。今菊がブームらしい。
この菊は確か江戸菊だったかな、嵯峨菊、もしくは伊勢菊かな。ちょっと今資料がなくてわかならないけど。
今でもさまざまな品種が作られているらしい。(たぶん伊勢菊)
ヨーロッパでは、日本の菊がブームだと聞く。なにも葬式用とばかりはいえないようだ。
●最近1998年に作った横木安良夫HomePage
「A L A O Y O K O G I P H O T O G R A P H S」を
リニューアルをしていている。だいぶ整ってきた。
●この菊の写真も「NEW PHOTOGRAPHS」にUPした。どうぞご覧ください。
●HomePageの写真はどれもプロテクトがかかっていなくて、心配する向きもあるようだが、
僕は商業的、もしくは、一般公開的なWEBサイトに流用されないかぎり、気にしていない。
Web上の写真は、「情報」だからだ。僕は基本的に情報は、無料になりつつあると思っている。
●音楽は情報自体で十分音楽だ。それを複製して反復して楽しむことできる。
だから昔からテープレコーダの時代から、無限に複製がくりかえされている。
録音とは最初から複製だからだ。その辺が写真とすごく似ている。
音楽のように、生活のすみずみまではいりこんだものは、そして証拠が残らず消えてしまう。
いくら複製できないようにと、頑張っても商業的には、かなり問題があるかもしれない。
絶対はありえないし、コストとの競争だろう。
ただ今のままだと死活問題かもしれない。
●ところが、この問題は、ベトナムのような、著作権がまだ確立していない国では顕著な問題だ。
僕が撮ったことのある、ベトナムのスーパースター「MY TAM」ミータムは、
一番売れたCDでもプレスは数万枚しかしてないという。
いや最初にそれだけプレスすると、もう翌日から市場には、そのコピーがあふれ、
オリジナルはそれ以上売れないのだそうだ。彼女のCDは、どこにでもあるが、だからほとんどはコピーCDだ。
そのため、彼女はCDに頼っていない。
ミイタムは毎日のように、ライブハウスで歌っている。ライブハウスは、日本よりずっと大きい。
前座からいれると、10組以上が出演する。次々とまるでテレビの歌番組のようだ。
ベトナムのライブハウスは最高に面白い。チャンスがあれば見てほしい。
特にミイタムは絶対に楽しませてくれる。そしてトリのミイタムだ。約1時間弱、会場はかなりもりあがる。
ほとんど彼女のオリジナルだが、英語の歌、日本の歌、
例えば浜崎あゆみの歌のベトナム語バージョンなども歌う。
そしておどりは巧いし、ギターを巧い(子供の頃チャンピョンになったらしい)。ピアノも弾く。
伝統的なベトナムの歌も歌えるらしい。それはベトナムの美空ひばりだ。
もっともっと、現代の歌手だ。ロック、ソウル、ヒップホップ、
ベトナムの音楽シーンをすっかい変えてしまったといわれている。
ミイタムのギャラは、数年前で一晩1000ドル以上、日本円だったら数百万を稼ぎ出すという。
今はもっと高いだろう。彼女はだからCDが売れないことはさほど気にしていない様子だ。
歌手とはライブをするものだと思っているからだ。
●写真のコピーの話から脱線したが、写真は音楽と違って残る。証拠のようなものだ。
発見すれば、すぐに警告することができる。
まして商業的に目的使われたら、訴訟すれば、100%勝つことができる。
これは、そのうちそうなると思うが、「WEB弁護士」のような商売ができ、
世界中のWEBから著作権の侵害がないか、網をはっていて、
それを見つけると、著作権者に知らせ、国際的訴訟をするといったことがありえそうだ。
写真には、今でも「すかし」のようなものをつけられる。WEB上だったら追跡することも可能だ。
実際Googleで、画像検索すると、時たま僕の写真を見つけることがある。
すぐに警告すると、消してくれるので今までは問題になったことはない。
●72dpi横幅が800pixleもあると、なんとかプリントすることができる。
でもタレントの写真のような肖像権のあるもの以外、そんなものを持っていても楽しくないだろう。
●写真は、情報だけではなく、「物」としての意味もある。
音楽でいえば「ライブ」のようなものだ。
今回パルコ、ロゴスギャラリーで、
横木安良夫ミニ写真展「DaydreamBeliever」Shibuya Now and Thenで写真を展示販売するが、
写真とは、
撮るだけ、
見るだけではなく、
★作家のオリジナルプリントを「所有する」ものだという、
僕の考えの実験でもあります。
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