文系式デジタルプリント(CreCo)その2
以下の日時に
横木は会場にいます。
●5月19日(金)4時ー7時
●5月20日(土)2時ー7時
●5月21日(日)1時ー6時
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★今回の写真展「DaydreamBeliver」のすべての写真はCreCoしたものです。
僕がCreCoしたオリジナルプリントは、やはり写真展会場で現物を見てみないとわからないでしょう。
会場につめているときならば、気楽に技術的なことでも、質問してください。
そして、オリジナルプリントを所有するということは、どういうことなのだろうか、と考えてみるのもよいでしょう。
写真はただ見るだではなく、買う価値があるかどうか考えながら写真を見てください。
ただ見て評価するのは、評論家じゃないですか、本当の自分の心に聞くのです。
例え買わないとしても、もし自分が買うとの前提で写真を見ると、写真の見方が劇的にかわります。
だからとても新鮮な気分を経験できます。
それはきっと、ひとごとではなく、自分の生活に、写真家の撮ったオリジナルプリントを受け入れることになるからです。写真があなたの生活空間に侵入してくるのです。
そんな目で写真を見ると、写真の見方の真剣度が違います。
そんな実験の写真展です。あなたの欲望を抑えることができない価格になっています。是非ご覧ください。
「オリジナルプリントを、所有して毎日眺めていると、不思議なことに世界の見かたが変わる!」
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CreCoワークショップ 2 モノクロ編2
★HomePageバージョンこちらをご覧ください
デジタルプリントの処理方法、レタッチ方法は、なぜか理系的、技術者系的な解説ばかりだ。写真は理的な部分もあるが、実はほとんど文系的な技術や感覚でするものだ。暗室作業にしても、化学実験というよりは、料理に近い。そこで、前回の、「理系ではなく、文系デジタルプリント処理その1」に続いて、その2というわけである。やはりモノクロ写真のCreCoのやり方です。カラーはしばらくお待ちください。
今回は、1973年、渋谷道玄坂で撮った、モノクロ、トライXで撮った写真を、CreCo(クリエーティブコントロール)してみる。かなり露出オーバーのネガで、スキャニングするには、無理のあるネガだった。スキャニングは、銀塩と違って薄いネガが得意だ。下の写真を見ればわかるとおり、特にハイライトのデーターが255からはるかに飛び出し、完全にデータの無い状態だ理系的処理で言えば、お手上げ、データのないところの写真はタブーだ。お笑いである。銀塩時代から、完全にぶっとんでいるところのある写真は、ざらだ。特に35mmカメラ(フルサイズ)のように小さなフォーマットの場合、過露光によってすぐに、トンでしまうところあり、いくら「焼きこんでも」でないことも、よくある。まあ、文化系的にはそんなこと驚くことではなく、何をしたとしても、自然に見えればよいことなのだ。
1(写真をクリックすると大きくなります)
NikomartEL 24mm ISO 800 フィルムTX パンドール現像
スキャニング コニカミノルタ5400Ⅱ スキャニングサイズ 72pixle 横幅5399pixle 20M
そのサイズを、ウエッブ上にあわせるため、解像度72pixle 横幅1000pixleにリサイズしている。
フォトショップ→イメージ→画像解像度→横幅を5399pixle→1000pixle
次に明るさ調整
2
フォトショップ→画質調整→ライティング→レベル調整
1の写真をフォトショップコピーして見ればわかる。
レベル補正ハイライト側が空いている。簡単に言えばハイライト側のスライド(白)を動かして空いている部分をなくす。(画像の存在するハイライトを245付近まで動かして、データのあるハイライトをここにあわせる)
同じようにシャドー側(黒)のスライドを動かし、グラフの左側が空いているので、それを詰める。
そして真ん中にあるグレースライドでシャドーがつぶれすぎないように注意して、明るさを決める。
あとで「焼きこむ」ので明るめでよい。
3
★ここから先が、正確に言えばCreCoになる。
理科系、文化系と書いていながら、やさしいなりにもここまでは、文化系が適当にはしょうった理科系解説だ。
多くのデジタル処理解説はここまでの話だ。銀塩で言えば、現像液、印画紙を決め、段階焼きを作り、ストレートプリントを焼いたところだ。
しかし実際は銀塩プリントもここから勝負ということになる。
銀塩では、プリントテクニックという言い方をするが、デジタルはプリントするばかりではなく、ウエッブ上でも完成形となることもあるため、CreCo(クリコ、クリエーティブコントロール)という名前をつけたのである。
●さて、何をするかといえば、前回と同じ用ように、フォトショップ、ツールバーから「焼き込み」「覆い焼き」をさがしそれで、調子を部分的に変える作業だ。ここは、銀塩のプリントテクニックとまったく同じだ。ただ銀塩は一枚焼くたびに、最初から始めなくてはならない。失敗したらやり直しだ。デジタルは戻ることもできる。全体の調子を見ながら部分的にまずは焼きこんでゆく。
今回はかなり濃いネガだったので、もともと階調がない。銀塩プリントと同じように、ハイライトも無理やり焼きこんでゆく。デジタルメリットは、拡大して焼き込み、覆い焼きができることだ。なんか写真もそうだけど、焼きこんで行くと、写真も60年代、70年代の雰囲気になるから面白い。不自然にならない程度に、焼きこむことだ。
●「焼き込みツール」→サイズ170pixle→範囲(中間調)→30%でハイライト部分を焼きこんでゆく。
そして、「覆い焼きツール」で、シャドー部分を覆い焼きする。(シャドー部分のハイライトを覆い焼きするのがコツ)
また、拡大して、範囲中間調をハイライトにして部分的に焼きこむこともできる。ハイライトや焼きこみは、わざとらしくなりやすいので、露光量の%を少なめにしたほうがよい。
デジタルはなんといっても、戻ることできる、思い切っていろいろ試すのがよいだろう。得意、モニター上と実際にプリントすると違って見える。プリントのほうが、はるかに情報量が多いからだ。これはセンスの問題だがやり過ぎないように気をつけたほうがよい。巧いプリントは、本当はすごく手をいれているにもかかわらず、何もしていないように見えるプリントだ。
●なぜ焼きこみをするか、なぜ多い焼きをするのか、一番大切な、料理で言えば味付けの部分は、次回に説明する。これは当然感覚の部分だから自分で養うものだ。文系のアナログ的、ファジーな技術解説としては、可能なので、次をお待ちください。
4
そして仕上げとして、銀塩でいえばスポッティング、デジタルではゴミ取りをする。
そして、前回も書いたが、ウエッブ上にUPするため、Y(イエローをたしている)
ゴミ取りは、修復ツールを紹介されているが、僕は「コピースタンプ」を使う。慣れるとずっと早いからだ。
★なぜ、ゴミを取るか、それはゴミは邪魔だからではない、ゴミは主題になってしまうからだ。そのへんも次の機会に書いてみたい。
5
●さて、通常はこれで完成だろう。僕はここでは終わらない。特にこのように35mm露光オーバーの粒子の荒れた写真の場合(荒れて無くても僕は粒子をつける、%を落として隠し味として)には、スキャニングしても、美しい粒子にならない。それで、粒子をそろえる作業が必要になる。これが横木式CreCoの本当の隠し味だ。粒子があるなしでどのくらい感じが違うか、よく見て欲しい。不思議なことに、シャープ感もでてくる。僕はモノクロ写真の場合、99%アンシャープネスを使わない。アンシャープはエッジが強調されてしまうからだ。
今回は、もともと過露光、増感現像で粒子が荒れていたので、このサイズで5%のノイズを入れてみた。
●フォトショップ→フィルター→ノイズ→ノイズを入れる→均等に分布→グレースケール→5%→OK
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