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2006.06.03

駐車違反民間委託、これは巧妙な罠だ!

Cyokosuka03
1969年YOKOSUKA KANAGAWA

「誰のための取り締まりか」

反取締り事務民間委託で、違法駐車が激減したと騒いでいる。
たしかに路駐の少ない道は走りやすい。素晴らしいことだ。
しかしいったいこれがいつまで続けられるのか、はなはだ疑問だ。

これまでの交通取締りと同じように、キャンペーン期間が終われば、取締りと見逃しの境界線があいまいになり、もとの木阿弥。なぜならこのやり方を厳しく徹底すると、今まで無限にあった資源?(違法駐車)がなくなってしまうからだ。それでは駐車違反という(税金)の収益が激減してしまうことになる。
だから絶対に徹底してやる気はない。

●今回の目的は、違法駐車撲滅ではない。 そんなことより、
★駐車違反を発見したら、警告することなく直ちに違反切符を切れることと、出頭してこないドライバーも完全に把握しようというのが趣旨だ。
あくまで駐車違反反則金の増収を狙ってのことだ。そうでなければ、警察OBによって編成された民間の駐車監視員がビジネス上なりたたなくなる。

●たぶん、恒常的に彼らは見回るのではなく、今までと同じように、普段は野放しにして抜き打ち的に切符を切るというやり方になるはずだ。しかもそのときは、今までの何十倍も効率が良いのである。捕まえ放題だ。
●まあ、都心の繁華街は、これからもキャンペーン上範囲を決めて(公開するふり)ずっと続けていくだろう。それはあくまでカモフラージュ、他の場所を今までと同様ルーズにして、突然取り締まる。

★ルールの国アメリカの駐車取締りはすさまじい。都会はもちろん、田舎にいっても違法駐車は問答無用に、すぐに切符が切られる。ずっと昔からだ。
僕の経験を言えば、ニューヨーク5番街で(銀座のようなところ)ほんの5分車を止めたことがある。考えてみれば止まっているのは僕のクルマだけだった。でも一瞬のことだ。走って車にもどると、すでに違反になっている。はやわざ。それが一度や二度ではない。 レンタカーをニューヨークで借りたばっかりに、10枚近く違反切符をもらった。

そのうち僕はアメリカの交通ルールを理解した。
違反は絶対に、軽微でもなんでも取り締まられると。
ああなんて、アメリカは杓子定規、やりずらい、息苦しい。
それにくらべて、なんと日本は情にあふれ、ルーズで、素晴らしい国なんだと。やはり歴史のある国と、新しい国の差だろうか。などと思った。

★話はさかのぼり、初めてアメリカに行った30年以上前のこと、それはハワイマウイ島の小さな町で、一台も止まっていない、がらがらの路上パーキングエリアで、僕はきちんとコインを入れて駐車した。そして買い物からもどったら、駐車違反を張られている。なぜと思ったら、白枠を踏み、50センチほどはみ出していたのだ。他に全然クルマがとまっていないのにだ。それもたった50センチはみだしているだけだ。
でも違反だそうだ。初めてのアメリカで逃げることもこわく、すぐに出頭した。
罰金は安かったけど、(でも1ドル360年時代だ)担当の女性警察官は、ニコニコと「日本から来たの、気をつけなさい」と言ってアメをくれたが、決して許してはくれなかった。

★道路のルールに関して、アメリカと日本はまったく違う。
アメリカが好き嫌いは別にして、アメリカの民主主義と日本の民主主義が違うことと同じだ。
こと、交通ルールに関して、いやきっとすべての法律がそうなのだと思うが、アメリカは国民が法律を厳守することによって、権力や悪から守られている。(もちろん完璧ではないが)
「法律とは何か」が分りやすいということだ。本音と建前ではなく、法律とは本音なのだ。

★そういう国アメリカでは、交通ルールを守って生活するのはたやすいことだ。
それに反して、日本ではどうだろう。
★なにより交通ルールを守って生活するのが、難しい。
それはなぜか。
意外と思うかもしれないが、アメリカは日本のように現実的に厳守不可能な悪法が少ない。
高速道路を制限速度で走っていても、流れが遅いと感じることがない。なぜだろう。
最高速度はせいぜいが65マイルだ。(105キロ)かつては55マイルだった。
不思議なことに制限速度を遵守しているのに、流れが遅いと感じることは少ない。
それは一般道路でも同じことだ。

理由の1つに、たとえばカーブ手前は標識が55マイルや、45マイルと細かく変わり、制限速度どおり走っているととてもスムーズに、かなりのペースで走れる。それはミニバンも、スポーツカーも同じ速度で走り抜けることができる。アメリカの法律とはそのぐらいきめ細かい。そしてなにより、皆が速度を遵守しているで、流れに乗っていると楽だ。
日本はどうだろう。東名の100キロは今の車から見れば遅すぎる。その証拠に実際はもう少し早い速度で流れているではないか。建前100キロ、本音115キロぐらいだろうか。
まあ、100キロだせる、東名はいいとして、第三京浜80キロの根拠はなんだろう。そして現実、誰がそんな速度で走っているのだろう。
いや、いいんだ。80キロでも。でもほとんど無意味な速度でも、厳しく守られていれば皆それに順応する。でも皆守っていないから、法律を守ることにストレスを感じてしまう。
野放の理由は、警察に有利に働く。
★実はこれが日本警察の常套手段だ。
厳しい法律を作り、通常は運用をゆるやかにして、ある日突然法律のもとで検挙する。
それが違反者取締りなるノルマがあるとすれば、達成するために、きわめて都合がいい仕組みだから。

最後に、パーキングメータについて、僕が昔から思っていた日本警察の欺瞞性を考えたい。

●なぜパーキングメーターは、全国一律60分300円なのか。
●10分単位、100円がどうしてないのか。
●10分200円があってもよい。
●場所によって、長時間、止められるメーターがなぜない。 (アメリカには普通にある)
●どうして、繁華街と、クルマの少ない道路の広い田舎でも、料金が同じなのか。
●なぜ、無料のパーキングスペースがないのか。 止めるスペースが決まっていれば遠くてもそこに止める。
駐車スペース以外は止めてはいけないということになる。
●どうして、日曜日、深夜は、パーキングメーターが動かないのか。
●指定車両パーキング、場所によっては無料パーキングがあってもよい。
*そのほかアメリカでは、清掃をするという理由で、パーキングメーターを使えない時間帯がある。

★アメリカでは、昔から、それも機械式の超原始的なパーキングメーターの時代から、時間や場所によって料金や駐車可能時間が、きめ細かく決まっている。

★日本でも、アメリカのようにきめ細かい駐車場対策をとれは、駐車違反は激減する。しかしそれをやりたくないのは、警察でありその関係機関だ。なにしろ駐車違反取締りほど、効率のよい既得権はないのだから。

★結論 道路とは日本警察の無限の財源、資源の海だ。
違反取り締まりは、スムーズで合理的で安全な国民生活のためではなく、警察の財源でしかない。
今回の民間委託は、その効率化を図るための見栄えのよい「罠」なのである。


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Comments

こんにちは。
なるほど、卓見だと思いました。パーキングメーターに関してもまったくそのとおりだと思います。

Posted by: Tajiri | 2006.06.16 06:51 AM

今日渋谷まで自転車で行った。道玄坂、違法駐車がなく、とてもスムーズに走れた。とても気持ちがいい。いつもこうでありたい。しかし、本当にこんなことずっと続けていられるのだろうか。
ただのキャンペーンではなっく、恒常的にこの状態が保てるのか、監視しなくてはならない。
僕の意見が杞憂であることを願う。
それにしても、パーキングメーターひとつとっても、本当はやる気がないような気がする。

Posted by: alaoyokogi | 2006.06.04 12:46 AM

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タイトルはリンク先より。 何故、警察はネズミ捕り的なキャンペーンをおこなってまで、お金が欲しいのか? なんで? パチンコ業界との癒着もそうだけど、なんで警察という組織が金をどん欲に欲しがるのかな? 組織じゃ無くて、警察に関わる個人が警察と云う組織を利用して金を欲しがるのかな? 気が向いたらきちんと調べてみよう。... [Read More]

Tracked on 2006.06.25 10:31 PM

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