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2006.07.02

DISTANCE TO THE HORIZON

「DISTANCE TO THE HORIZON」~地平線までの距離~

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画像をクリックしてください。

◆◆僕が、RICOH GRDを使い出した理由は、春に開催した写真展「Teach Your Children 1967-1975」の写真、ネガやプリントをスキャニングして、モノクロデジタルプリントを作っているときにある。
僕は、かつて銀塩フィルム時代、仕事で使うメインのカメラは中盤カメラだった。
35mmカメラにしても明るい単焦点レンズのみを使っていた。理由はワイドレンズ以外、開放付近で撮ることが多かったからだ。ピントの浅い写真が好きだからだ。少しでも絞ると、レンズの性能があがるなんて、なんの興味もなかった。高価な明るいレンズを絞って撮るなんて、なんてばかばかしいと思う口だった。それなら安いレンズで十分だからだ。開放付近といったそのレンズの限界が写真を魅力的にすると、信じているからだ。
デジタルカメラ時代になり、初期は受光素子がフルサイズではなく、APSサイズしかなかった。僕は激しく拒否反応があった。その理由が被写界深度があまり深くないことだった。
どうせ中途半端な気持ちだったので、それに少しスタイルを変える意味でも、各種ズームレンズ使いだした。
ただAPSサイズを使っているうちに、実は35mmフィルムカメラより、カジュアルに撮れることを知った。早いシャッターを切れば、振り回しても、撮れるし、ノーファインダーで撮ることもより自由だった。それはデジタル時代になって、なにか懐かしささえ感じていた。

僕が若い頃、「Teach Your Children 1967-1975」を撮っているころ、特に1967年から1972年までの学生時代、僕はほとんど2台のカメラでスナップしていた。アサヒペンタックスSPと、コーワSW28mmだ。
特にコーワは、カメレオンの目のような小さなファインダーがついているだけで、距離計はなし、目測で距離をあわせ撮っていた。ISO(ASA)400もしくは800のTriX。距離は3mにあわせ、絞りはf16.いってみればパンフォーカスの世界だ。そのカメラで僕はデモの写真やさまざまな動きのある被写体を走り回って撮っていた。

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そんなことを思い出しているとき、GRDが発売された。
GR1は使っていたので、カメラとしての性能、大きさは以前から気に入っていた。
ただデジタル版はCCDがあまりに小さく、35mmのような細かいテクニックが使えないと、ただのおもちゃカメラだと、ほとんど興味がなかった。
それが、その写真展のプリントを制作中、多くの写真が、パンフォーカスだったことに気がついた。どれもがコーワSWで撮った写真だ。
ふと、デジタルカメラもモノクロで撮ったらどうだろうか、と閃いた。
GRDをモノクロで撮影するのなら、パンフォーカスでもいいじゃないかと。
奇しくもSWもGRDも広角28mmワイドレンズだった。
いてもたってもいられず、GRDを手に入れた。それからぼくはモノクロばかりを撮った。

●しかしそれはあくまで、ぼくにとっては、若い時代の35mmモノクロフィルムカメラとその撮影方法の代用だったのだ。
デジタルでいかに昔のような暗室作業ができるのか、僕はCReCoという銀塩時代と同様の暗室テクニックをほどこすことによって、銀塩写真と同等か、それ以上の写真を作ることに力をそそいでいた。

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そんなふうに、デジタルモノクロについて、方向性が定まると、
それならGRDでしか撮れない、デジタルカメラでしか撮れない写真とはどんなものだろうと考え始めていた。それもカラー写真でだ。

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GRDの大きな特徴は、CCDが小さいことだ。
そのメリットはなんだろう。1/1.8inchというと、それはもう8mmフィルムぐらいの大きさだろうか、それは決定的に被写界深度が深いことだ。基本的に背景はぼけない。
ただいろいろ撮っているときに、クローズアップで撮ると、背景が美しくぼけることを知った。
35mmサイズのようなカメラと、クローズアップの写り方が決定的に違っている。個性的だ。僕は今まで見たことが無かった世界だ。
●GRDでしか撮れない世界とは、クローズアップの世界だった。
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クローズアップ世界、「蟻の目」といえば、写真家 栗林彗だろう。昆虫カメラマンだ。銀塩時代に高深度レンズを開発して、それ数々の昆虫のクローズアップを撮った。もっともデジタル時代になり、高深度という意味では、栗林の努力はデジタルカメラによって、すらりと飛び越えられ、深度の深いクローズアップはいとも簡単に撮れるようになった。
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そんなわけで、GRDの個性は、クローズアップと思い、蟻の目というより、亀の目、実際GRDは、蟻というよりは地上2.5cm亀の目に近い、それこそゴジラではなく、キャメラ「CameRa」だ。
その写真はガリバーの巨人の国の世界だ。
と思い、撮っているうちに、気づいたのことは、今一世を風靡している、写真家、本城直季の「small planet」にちょっと似ているということに気がついた。
本城は大型カメラの逆あおりをつかうことによって、まるでミニチュアジオラマを接写レンズで撮ったような世界を作り上げる。それは神の目、鳥の目だ。ガリバーから見た、小人の国の世界。
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実はその撮影方法のアイデアは本城のオリジナルではない。
昔からそのやりかたは知られていたし、実際は本城よりもずっとまえに同様の、写真集も海外で出版されていた。ただここでは、誰がオリジナルなのかということを言いたいのではない。そういうテクニックはもともと知られていたし、ある意味誰でも思いつくことでもあるからだ。
ただ、本城の写真は、光線の選び方、構図、配色のセンスとも、先人の写真よりずっと魅力的だった。
多くの人が彼の写真に共感するのは、その撮影方法のアイデアがオリジナルかどうかではなく、かれが描きだしたビジョンが他の写真家より明確で、一歩進んでいたからだろう。

まあ、そういう意味で、その正反対の「蟻の目」というコンセプトは決して、栗林彗だけのものではない。
だからその手法で何を描くかがやはり問題なのだろう。
僕のGRDの写真は、本城の写真が「Small Planet」といい、小人の国の写真ならば、GRDのクローズアップ写真は、「Big Planet」、巨人の国の写真なのだ。

タイトルは、「DISTANCE TO THE HORIZON」に決めた。

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「地平線までの距離」
●地球上で自分の立つ位置から見えている、地平線はいったいどのくらいの距離があるのだろう。
日本で地平線を見ることは、ないがアメリカに行くと地平線をいつも意識する。
計算式がある。

160cmの高さだと、約4.5キロさきにある。
2.5cmの高さだと、地平線までの距離は500mぐらいだ。

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