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2006.11.30

本日より写真展開催 12月1日am10-pm9

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写真展Teach Your Children 1967-1975 あの日の彼、あの日の彼女が、渋谷パルコ、パート1、地下、ロゴスギャラリーにてam10時からpm9時まで開催されます。
僕は、一日在廊している予定です。午後6時からオープニングがあります。
さて、その準備を、今日、11月30日、朝10時からはじめた。
今回は、1971年にプリントした、8x10のビンテージプリント6枚と、11x14のニュープリント16点、そのほか今年の春に開催した、すべてデジタルアーカイバルプリントした約150点の写真を展示する。
同じ原稿を、古いプリント、現代のプリント、デジタルアーカイバルプリント(エプソンPX5500による)、そして今回の目的、目玉、である、印刷物としての写真集。そのどれもが違っていて面白い。銀塩とデジタルと、印刷。
写真の展示は、一般的な写真展のようなシンプルな見せ方ではない。きっと10分やそこらで見ることは不可能だろう。前回の写真展のときには、1時間もいる人がいた。
その準備中の写真を紹介する。写真で見せるなんて、本物を見たときに新鮮じゃないなんておっしゃらずに、なにより、写真と、実際に展示を体験する写真展とは違う。それが写真の面白いところだ。
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Topの写真は、1972年カメラ毎日、2月号にアルバム72に発表した写真。実はこの写真のネガは紛失している。この72年にプリントした一枚しか残っていない。この一枚のプリントから、スキャニングして、デジタルアーカイバルプリントはできあがっている。違いを較べるのもおもしろいだろう。
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この写真も同じように、1972年のビンテージプリント。非売品だ。印画紙はフジブロマイド。現像液はD72系リキッドタイプのピクナールだったと思う。このころ印画紙はオリエンタルのイーグルも良く使っていた。たいていF2号だ。引伸機は学校推薦だった、フジB型引伸機、後のフジ690だ。
もちろんこの時代は、すべてがバライタというか、紙の印画紙である。
しかも乾燥は、フェロタイプ乾燥。これは自分で持っていた、小型のドラム型フェロ機で乾燥したと思う。
左から2番目と3番目の写真もネガを紛失している。当時は、カメラ雑誌はネガ提出だった。見本でプリントをつける。返却されたかもしれないが、雑誌が発表されたときには、すでにカメラマンのアシスタントをしていたので、どさくさでなくしたのかもしれない。なんどもネガからさがしたことがあるがいまにいたるまで不明だ。
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この部分は今年の春に、アートフォトサイトギャラリーと京都ギャラリーで開催した写真展のなかからサイド組みなおしている。今回のDMや、この写真展のテーマというべき、多くの写真を羅列するコンセプトは、春の写真展から発展しているもものだ。
のプリントは前回と同じように、販売している。A3ノビ額入りプリントだ。値段はプリントが約100ドル。額入りで18900円だ。減塩プリントと較べて、何が違うか、決してデジタルアーカイバルプリントは、銀塩の代用ではない。これはこれの美しさがある。
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このプリントは今回焼いた、ニュープリントだ。大きさは11x14.印画紙はフジのレンブラントだ。現像液はイルフォード。引伸機は、フォコマートである。その記事は。ここにある。
銀塩プリントは久しぶりだったが、身体にプリントはしみこんでいて、なんのストレスもなかった。もっともアシスタントが赤城耕一氏だったこともある。こんな贅沢なプリントはないだろう。すべての露光は僕で、すべての現像は赤城くんだった。値打ちものだ。

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準備中のレジ周り。レジの後ろにも、デジタルアーカイバルプリントを展示している。完成形はこれとは違う。
ここに張ってある右下の、砂で作ったトルソーは僕が1975年に作ったものだ。じつはこのプリントはデジタルではなく銀塩だ。それも1985年にニコンサロンで写真展をしたおり、大判なのでドイテクニカルフォトでプリントしてもらったものだ。それを画鋲だめという、乱暴なことをしている。
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そしてこれがいよいよ、写真集。これは普通版だ。是非手にとって見て欲しい。印刷物は、印刷物で決して銀塩やデジタルのお徳版ではなあい。本というメディアは、かなり強力なエネルギーを持った、メディアだ。前日のBlogにも書いたが、印刷物は決してオリジアンルの再現ではない。本は本なりのプリントに対する解釈がある。そんなところを気にしてみてもらいたい。

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ちょっとコノ写真だとわかりずらいが、額に入っている写真が、販売しているデジタルアーカイバルプリント。オリジナルのビンテージプリントと較べて欲しい。オリジナルからデジタル化するのも、ある意味写真行為だ。それは、世界の解釈が写真行為であることと同じで、解釈された写真を、さらにデジタルで再解釈するからだ。
その下のケースのなかに、特装版の写真集が入っている。特注箱と、デジタルアーカイバルプリント入り、帯というか腰巻ともいのだが、そのデザインもシンプルになっている。これは本物を見ると絶対に欲しくなると思う。箱のできはとてもいい。自信作だ。そして限定100部、エディションの入った僕のサインがつく。
ちょっと隣で見えにくいし、まで完成していないが、左のガラスケースには、僕が1967,8,9年と使っていた、KowaSWを展示している。それとセコニックのスタジオS。オメガの腕時計。実はこれは最近また使っているやつだ。それに、1972年のカメラ毎日2月号。この号に初めて僕の写真が載った。何とこの号の表紙は、ラリークラークの「青春の墓標」が表紙から15ページ、その他に、須田一政の名作「天城峠」他に、川田喜久治、秋山亮二、鋤田正義、加納典明、沢渡朔が載っている豪華号だ。そこに僕も載っていたなんて少し感動ものだ。

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準備中にリコーから花が届いた。とても豪華なセンスのよい花。
GRDigitalのパーフェkトガイトVOL.2を僕はやっている。巻頭に紹介されている。
それでは、これから寝て、朝からいよいよオープンです。
どうぞ、写真を楽しみ、気楽に声をかけてください。

横木、在廊予定とトークショー

■12月1日(金)  終日am10-pm9 まで会場につめています。
★写真展初日、pm6-8まで、ささやかながらオープニングレセプショウをします。

■12月2日(土)  am10-pm9 まで会場につめています。

■12月3日(日)           〃

■12月4日(月)  pm4-9まで在廊、 
●この日はpm7-8で、田中長徳氏とトークショーがあります

■12月5日(火)  pm4-9まで在廊、 
●この日はpm7-8で、藤代冥砂氏とトークショーがあります。

■12月6日(水)  pm4-9まで在廊、 
●この日はpm7-8で、ハービー・山口氏とトークショーがあります。

■12月7日(木)  未定

■12月8日(金) 未定

■12月9日(土)  am10-pm9 まで会場につめています。 
●この日は6時半ー7時半で、安珠さんとトークショーがあります。

■12月10日(日) am10-pm9 まで、終日会場につめています。

■12月11日(月) Pm-9時まで、在廊、
●この日はpm6時半ー7時半で、角田光代さんとトークショーを行います。

■12月12日(火) 未定

■12月13日(水) 最終日は、午後5時で写真展が終了します。

★トークショーの予約件はパルコにて写真集をお買い上げの方から優先的に順次発行します。その際、ご希望のゲストの方をお一人お選びください。(立ち見でもよろしければ、複数可能かと思われますが、確約はできません)


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Comments

こんにちは。
私は静岡なので、行けるかどうかわかりませんが(非常に行きたいのですが!)、写真集はAmazonで予約しました。
こちらでは、今ウィリー・ロニス写真展をやっています。

Posted by: titti | 2006.12.01 09:48 AM

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