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2007.02.16

Berlin #007

Berlin007
Berlin #007
ドイツには、何度もいったわけじゃない。通過したことは、何度もあるがきちんと立ち寄り、写真を撮ったのは3回だけだ。
初めて訪れたのは、1976年、ある雑誌というより、月刊プレイボーイの取材で、東ドイツに行った。モスクワ経由だったと思う。当時、冷戦時代、社会主義の国に入るにはそれなりの緊張感があった。ベトナムは、統一され社会主義になり、中国は不気味な時代であった。まだカンボジアはポルポトの時代だったろうか。ドイツは西と東に分断され、東ドイツは、DDRと呼ばれていた。今でも社会主義の国ではたいがいそうだが、ホテルに着くとパスポートを預ける。そして公安がチェックする。東に入る前に、いろいろリサーチしたら、盗聴されているので、部屋のなかでもうかつなことは話さないほうがいいと助言するひともいた。そしてきちんと、通訳とドライバーがひとときもはなれずついていた。ガイドは白髪の恰幅のよい、シューベルツという名だった。見るからにインテリ、服装もきちんとして、ドライバーはみるからにブルーカラーの風貌だった。
でも実際入ってみると、きっとかつてのヨーロッパはこんなだったなというぐらい、町はのんびりとした時間がながれていた。遊覧船で川くだりをした。クルマはぼろぼろのトラバントだった。夕食はいつも、豚の料理、どの街、どの村も人が少なく、寂しかった。名前だけのディスコ。それは、まるで地方の公民館のパーティ会場みたいにノリもなく、惨めなもんだった。一番印象的なだったのは、東ベルリンだ。今のベルリンは、ドイツの首都、いやもうヨーロッパのなかの巨大な都市になっているが、1967年の僕は、東ベルリンだけしか見られなかったのだが、地下鉄に乗ると西ベルリンの駅は通過した。こんなふうに、東側から西ベルリンを見た人は少ないと思う。
でも、当時の僕はあまりに若く、東西問題にはさほど興味がなく、東ドイツのそのままを受け入れて、写真を撮った。その写真のほとんどは、倉庫に眠っている。そうそう、広場にはテレビ塔がそびえていて、上った。その後ぶらぶらと歩いたら、キャットスティブンスの新譜LPが発売されたばかりで、長蛇の列だった。東でも音楽は一緒、電波に国境はなく、西の音楽がもてはやされていた。興味がわき、ドイツのロックを買った。かなりアバンギャルドなロックだった。
Ddr1976eastbelrin
東ベルリンのコーヒーショップにて、1976年

2回目に行ったのは、西ベルリンだ。80年代前半だったと思う。矢作俊彦とスペインパンプローナの牛追い祭りを友人達と、ヘミングウエイごっこをしたときだった。このとき、パリを中心に一月ほどうろうろした。雑誌は創刊したばかりのスコラで短期集中連載として発表した。小説矢作、当然僕が写真だ。行く前、たまたま某雑誌(月刊プレイボーイ)に、そのことを話したら、ちょっとベルリンを見にいってくれといわれた。弱冠の取材費がでた。というのも、ほとんどの壁は二重になっていて、その緩衝地帯には、地雷が埋められているとうわさされ、そこにはなんと野うさぎが異常繁殖しているというのだ。僕は当時のガールフレンドと西ベルリンに行った。当時の西ドイツはとても寂しかった。6月末、バカンスシーズンのせいだろうか、学生も少なく、アーティストもさほどいない、ヒッピーがいたろうか、ゲイも多かった、西ベルリンの町もひっそりとしずまりかえっていた。どこか地方の学園都市の夏休みといったあんばいだった。これじゃ数年前に行った、東ドイツとさしてかわらないと思った。
バウハウスもがらんと人がいなかった。そのまえで商売していたホットドッグ屋がめちゃくちゃうまかった。とうじ、西ベルリンに住めば徴兵がないとのことだった。何しろ東ドイツ内の陸の孤島、人質みたいなものだ、いつ東側に蹂躙されるかわからない。だから緊張感はあった。
友人のつてで僕と同年代の通訳を紹介してもらったが、彼にうさぎの話を説明するために、西側の雑誌の切抜きをわたしていた。西側の取材(見物)を終え、東に日がえりだったら入れるというので、チェックポイントに向かった。そのとき、通訳の彼に西の雑誌をあずけていたので、それが発覚、僕ら3人はとも、東ベルリンに入れなかった。残念だった。どうしても見たかったけれど。
その後数度、ドイツ国内は例えばフランクフルとや、ミューヘンに行った。アウトバーンも数度走った。
なんてあまり問題意識をもたないまま、絶対になくならないと思っていた壁が消えた。あっけないものだった。
2001年、ベルリンを訪れた。違う国がそこにあった。西ドイツをクルマで走り回った。僕の記憶のなかのかつての
東ドイツと西ドイツは、どこかに消え去ってしまった。それでもドイツの町はうら悲しい。なんでだろう。30年ねんぶりに訪れたドレスデンの夜。昔と同じように寂しい夜だった。
Belrin001
Escalator Berlin 2001

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