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2007.05.31

小説家YがGX100を買った。

Ynogenkan
小説家Yの仕事場の玄関には、彼の好きな長島の写真がある。それにしても、この組み合わせはヘンだ。

おととい、友人の小説家Yが電話をしてきた。
彼が、昔のコダックの35mmスライドプロジェクターを探しているって聞いていて、僕のはリレーが壊れているけど、どこかで直すなら、あげると約束していたので、そのことだと思ったら、
「おい、RICOHの新しいカメラどう?」と訊く。
「なんで?」
「いやどうかなって」
「いいんじゃない、すごく」
「でもさ、ネットだと悪評だよ」
「そうかな、人気があるからだよ?」
「望遠でピントがこないって大騒ぎしてるぜ、致命的だって」
「そうなの?オレのは全然問題ないけどな」
「オマエのは特別チューンしてあるんじゃないの?」
「そんなことないよ」
「買ってもだいじょうぶかな?」
「だいじょうぶだよ・・・・個体差というか、初期不良っていうのもあるけど、だってパソコンと同じだよ」
「まあな」
「ほとんどは極端な条件でピントがこないっていってんじゃないの・・・・だいたいオートフォーカスって、デジタル1眼だって百発百中なんてありえない、厳密に言ったらけっこうはずれているし、まあ、機械だから当たり外れはあるけどね・・・・・そういうやつって機械に対して愛がないんだよ・・・・・・でも、どうするの?ほしいの?」
「まあな」
「買ったらチェックしてやるよ」
「ところでさ、連射ってできるの?」
「知らない、俺連写しないから、ところで連写するの?」
「いや別に」
「どこで買うの?」
「ビッグカメラだよ」
「じゃあ、78000円、ポイント15%かな」
「たけーよな」
「・・・・・でも、8万円で”高級”だよ、安いもんだよ」
「まいいや、それじゃな、プロジェクター頼むよ!」
「ああ、それじゃ」


今日僕はYに電話した。
コダックのプロジェクターと、カセット10缶をもってゆくためだ。
「もしもし、ところでどうした、カメラ?」
「買ったよ」
「なんだ早いな」
「チェックしようか」
「ああ」
「ついでにファームアップしてやるよ、たぶん1.13だろう」
「知ってるよ、1.14なんだろう今」
「そう」
「じゃ、1時間ぐらいで」


Yは、小説のゲラを直していた。
「カメラ、見せてよ?」
「ああ」
デスクの引きだしからGXを出した。
YのGXには、EVFファインダーがついていない。
「なんでつけないの?」
「オレの目には小さすぎるんだよ」
「まさか、視度があってないんじゃない?」
「オレはいらねーんだよ、かっこ悪いじゃない」
「そうかな、ちょんまげみたいでカッコいいじゃない」
なんとGX100の文字のところにヤスリを入れている。
「なんだよ、気に入らないならテープでも張りゃいいじゃない」
どうやら、レンズの周りのメッキも気に入らないようだ。
Yは、革製の長い携帯ストラップのようなものをつけている。
「キャップどうしてるの?」
「いらないんだよ、そんなもの」(まるで田中長徳みたいだ)
僕のストラップは、GRD用だ。撮影中レンズキャップは、*ここにはさんである。
結局僕は、1.14にファームアップしてあげた。いろいろ撮ってみたが別に問題ない。
いったいYは、GX100をこれからどんなふうに使ってゆくのだろう。
彼は趣味ではなく、取材のために使う。
そして外観がどのように変貌するのか楽しみだ。

*結局僕は撮影中、レンズキャップをストラップのこんな場所に通して、ぶらぶらしないようにしている。スナップ中は、キャップはしない。
Gxlcup

おまけ
●GX100について、ピントどうこうの意見があるが、ほとんどは、ナンセンスなシチュエーションが多い。オートフォーカスが、悩むような被写体でテストするべきではない。コントラストがないものの場合もあるが、逆に背景とのコントラストが高い場合は、不得意だ。オートフォーカスはオールマイティではない。できるだけ検地しやすいものであわせるのが基本だ。どこにあわせればいいのか、機械にはわからないときもあるからだ。
●それは、露出についてもいえる。露出に、絶対的な適正露出はない。どんな露出も、相対的、また、便宜的だ。適正露出は、撮影者の意思のなかにある。初心者の場合、そこが何もないので、カメラのオート露出を信じすぎだ。初心者の写真を見て感じることだが、例えば、天気のよい、夏の午後、ビルの日陰と、日のあたっている場所を50対50の割合で、フレーミングする。これなんて、カメラは、陰か、日向か、どっちを図ってよいのかわからず、中間の露出を計る。それは、どちらにも属さず、適正ではけっしてない。そういう、何を撮ってるのか、わからない被写体について、機械はまよう。そして適当な答えをだす。これは、オートフォーカスと同じだ。
写真がわかってくれば、何を撮っているのかわからない写真を撮らなくなる。それでもそういうシチュエーションをどうしても撮りたければ、後処理するか、合成するか、HDRにすればよいでしょう。ピントだったら、目でわかるんだったら、マニュアルで撮ればいいことだ。そんなところが、いくら高性能になったところで、コストがアップするだけで、大して意味はない。


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