GX100と大型ストロボ
GX100を、ほんのちょっとプロの立場として。
■先日、といってももう1ケ月ぐらいまえ、某誌のため、スタジオで写真を撮ったときのことだ。全部デジタルで、実際はNIKON D80をメインに使ったのだけれど、ほんの気まぐれで、GX100でも撮ってみた。同じ1000万画素クラスだとしても、かたやAPS-CサイズのCCDを持ち、GX100は、その9分の1ぐらいの、1:1.75インチという小さなCCDなので、絶対的な画質性能は較べるべくもない。
しかし、インクジェットにプリントしたり、印刷するためといった、目的を考えれば、コンパクトだって問題ない。ましてやウエッブ上で見るには、何の問題もない。
写真を画質の優劣で語るのは、ナンセンスで、それぞれのフォーマットやカメラで、描写の雰囲気が違うのだから、GX100のようなコンパクトカメラが決して劣っているわけじゃない。サッカーで例えてみれば、よく身体能力が高いみたいに言うが、身体能力ばかり強くても、試合に勝てるわけじゃない。(正直、身体能力ということばは、嫌いだ)、いろんな意味の総合力が大切だ。カメラだって、コンパクトであることは、その要素のひとつだ。
銀塩時代、一番画質の良い、8x10が一番すぐれていたわけじゃない。35mmはブロニーサイズの代用ではなく、6x6より4x5が優れていたわけじゃない。それぞれ、写り方が違うので、それを選択していたわけだ。
最近の、ディスプレーで等倍以上に拡大して、いろいろ画質性能を言うことは、まあ、ゲームだと思えば、かまわないが、そんなこと写真とはほとんど関係ないとわかって言っているのならいいけど、それこそカメラの性能だと深刻に議論されると、むなしくなる。
もちろんさまざまな指摘によって、進歩することもあるが、一部のスペック主義者に意見が左右され、不健康な方向に行く可能性もある。
正直、コンパクトの画素競争はいいかげんにしてほしいが、たぶんコンパクトでもじき2000万画素ぐらいまでいくだろう。しかしそのことのマイナスは増えるわけで、もっと違うところが進化してほしいが、今や部品を集めて組み立てるデジタルカメラは、その時代の大勢からは逃れられない。1000画素で十分といっても時代のメインが一番、性能が良く、リーズナブルなのだから必然になってしまう。
もっとも背面の液晶は、2.8インチもしくは、3インチがコンパクトカメラには限界だとしても、デザイン上醜くても、大きければいいなんてことになり、たぶんなってしまい、醜いカメラが出現しそうだ。
そういう意味で、GRやGXのこのサイズで、しかもデザイン性を求めてゆくには、ユーザーも、あれもこれもと思いすぎないほうが、正常に進化すると思う。
■さて、今回写真スタジオでのライティングは、ファティフという、最近のスタジオではごく普通の、電動のライティングシステムだ。今回2台ファティフを使っているが、それぞれ4台4灯の、2400wのストロボ発光部が入っている。フルで発光すれば、合計すると20000Wになる。とんでもない光量だ。
もっともそんなに光の量は必要ないので、ぐぐぐーと落として使っているわけだ。だったら、ストロボ台数を減らせばいいと思うかもしれないが、台数を減らすより、多くのストロボを使って、光量を減らすほうが、安定しているというわけだから、そうすることが多い。(もちろん予算的に余裕があるときに限る)
トップのライトは人物の背後と背景を照らしている。左側のサイド光がメインライトになる。右側は白パネルが、レフ版状態となり、「おさえる」という。
露出、ISO100でF11ぐらいにして撮っている。デジタルは絞りすぎるとシャープネスが落ちるので、F8とか11ぐらいにすることが多い。銀塩時代はF16ぐらいで撮ることがざらだった。
GX100は、ストロボのシンクロ接点がない。だから、EVFをはずして、そこにストロボコネクターを差込み、シンクロさせる。当然、GX100の特徴のファインダーがないので、背面のディスプレーを見ながら撮ることになる。
●GX100のホットシューに、シンクロコネクターをセットし、そこにシンクロコードを差し込んでいる。
GX100での問題点は、ズーミングすると、f値が変わることだ。短焦点のように、先に焦点距離を決めて、撮らないと、例えば50mmでf8にしても、ズームすると変わってしまう。
それと、このライティングのように、トップに強い光をいれると、レンズにハレーションが入ってしまう。スタジオ撮影のハレーションは、大敵だ。いかにもスタジオで撮ったように撮るわけだから、よほど意味がなければハレーションは切らなくてはならない。このカメラは通常、フードがないので、スタジオで撮るとき、今度はワイドコンバータ用のアダプターターと専用のゴムのフードを、もって言ったほうがいいかなと思った。
●スタジオマンのA子さん。最近のスタジオは女性が多い。GX100
●トリンプのキャンギャルをやっている、中山エリサGX100
●薗田杏奈GX100
コンパクトデジカメに限らず、最近のカメラはホットシューはあるもののシンクロ接点がないカメラが多い。D80もなかったと思う。そういうカメラはプロ用ではないと、いいたいのだろう。写りが変わらないんだから、省かないで欲しいと思う。GX100のようなコンパクトカメラにX接点は望めないが、USBケーブルからシンクロすることは、可能じゃないかと思うが。
●過去BLOG スタジオライティングプロの現場
★RICOH CaplioGX100スペシャルサイトにて、 横木安良夫 GX100インプレッションインタビューUPしています。どうぞごらんください。
☆RICOH GX100インデックス
●ギャラリーBauhous
7月17日(火)~7月30日(月) 会期中無休 am11-pm7時
入場無料 協賛 RICOH
◆写真展は、GX100といくつかGRDigitalで撮影した写真を展示します。ベトナムの写真は「ベトナムGXトラベラー
」から選んだ、カラー20点、日本での写真はモノクロ15点。その他、GX100で撮ったカラーの写真を、A0サイズ(1030mmx1373mm)に大伸ばしします。
GX100というコンパクトデジカメ、CCD1:1.75インチという小さなCCDから大伸ばしした世界を、是非ご覧ください。きっとビックリすると思います。
●横木安良夫撮影会「Walk and Talk TOKYO by GX100&GRD」
* 7月21日(土)募集終了
* 7月28日(土)
13:00~18:00(13:00にgallery bauhausに集合)
参加料:3,000円
*横木安良夫とともに町を歩き、写真を撮る撮影会。gallery bauhausに集合し、横木自身による展示内容のレクチャーの後、御茶ノ水・神田・湯島方面など周辺の町を歩き、撮影します。
(メールにて要予約。参加希望日、氏名・住所・携帯電話番号を明記してください)
バウハウスサイトメールで担当:タカザワまで申し込みお願いします。
★(株)リコーの協力により、Caplio GX100およびGR Digitalの貸し出しも行います。
貸し出しご希望の方は、申し込みに貸し出し希望と、当日身分証明書をお持ちください。
●フォトエッセイ集 「ベトナムGXトラベラー」発売中 AMAZON
●写真展会場でも販売しています。僕が在廊中は、サインをします。
在廊予定
7月17日(火)は、12時ごろから在廊しています。
7月18日 未定
7月19日 未定
7月20日 未定
7月21日 撮影会 昼頃からいますが、途中ぶらぶら撮影会で外にでてしまいます。
7月22日 日曜日なので、12時ー7時ぐらいは在廊しています。
7月23日 未定
7月24日 未定
7月25日 未定
7月26日 未定
7月27日 未定
7月28日 撮影会 昼頃からいますが、途中ぶらぶら撮影会で外にでてしまいます。
7月29日 日曜日なので、12時ー7時ぐらいは在廊しています。
7月30日 最終日 PM3時ぐらいからいる予定です。
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Comments
はじめまして。本日エッセイ集を拝見いたしたしました。
GX100を発売から購入をためらっていたのですが
あのエッセイ集で踏ん切りがつきました。
写真はもちろんのこと、後半の文字にささりました。
ありがとうございました。
Posted by: wrenchy9 | 2007.07.15 11:24 PM
GX100の A0サイズ。非常に興味が有りますねえ。
躍動感、臨場感みたいなものが、GX100を通して、
A0でどーんと目の前に現れると・・・、いいですねえー。
福岡でもやって下さいよ。
ご教授頂いた恵比寿にあるプレゼンハウス、早速問い合わせしております。
Posted by: PhotoArt Plan | 2007.07.15 03:08 PM
コンパクトでもスタジオで使ったりするのありですよね。
シンクロにはコンパクトなMicroSyncというラジオスレーブがおすすめですよ。
日本では売ってないんですが、通販で手に入ります。
http://farm1.static.flickr.com/72/165919612_979ce85129_o.jpg
しかし、凄いライティング設備ですね。
こんなのが気軽に使えると効率よさそうです。
Posted by: blackeyes | 2007.07.14 02:24 AM