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2007.08.28

榎並悦子写真展 おわら風の盆

写真家の榎並悦子さんが、品川にあるキヤノンギャラリーSで、
写真展「おわら風の盆」を開催している。
先日、そのオープニングパーティがあったので行った。
榎並さんは、撮影会の講師をしたとき、だいぶ前に知り合った。精力的にさまざまなテーマで写真を撮って発表している。
昨年は、写真集「Little People」で第37回講談社出版文化賞受賞している。
数年前に結婚したご主人は、写真家の野町和嘉さんだ。
Enami
パーティの前に、写真展会場の前で、携帯で誰かと話をしている榎並さん。
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キヤノンギャラリーSを外からみたところ。
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会場に入るとすぐは、夜の路地の雰囲気だ。
Enami_kazenobon02
幅2mx3mの写真がある。この祭りは顔を見せない。仮面をつけているようなものだ。
Enimi_kazenobon03
静かな祭り。虫の音、静かな音曲。
Enaminomachi
榎並、野町ご夫妻。モノトーンの素敵な着物を着ていた。

●あんまり僕は、祭りに詳しいわけじゃないので、知らなかったが、「おわら風の盆」は、とても風変わりなお祭りらしい。越中八尾町。9月1日から3日間。「おわら風の盆」と呼ばれている。

Youtubeおわら風の盆映像

もともと日本の祭りは、観光ではなく、その土地の、五穀豊穣を願う、自発的なものだったのだろう。
僕があまり、祭りに詳しくないと書いたし、祭りの写真を撮ることにあまり興味がないことは、半分本当だ。
●もちろんお祭りを撮ったことがないわけじゃない。数え切れないぐらい撮っている。日本の祭りばかりか、海外の祭りも撮っている。
世界最大の祭りといえば、ブラジル、リオのカーニバルも、最高のパスを手に入れて自由に撮ったこともある。でもリオのカーニバルは今や、F1レースみたいな、巨大イベントで、リオの人間は皆、そのお祭りのために、1年を生きている。
かつての日本の祭りも、厳しい生活のなかで、その数日だけを、無礼講のように、精神を開放して楽しんだのだと思う。
●ずいぶん前、1980年代、スペインパンプローナの闘牛祭りを撮った。3日間ぐらい寝ずに、写真を撮った。闘牛も撮り、傑作だった。一緒に行った矢作俊彦が小説を書いた。それは、創刊当時のスコラ(講談社)に載った。そのポジは、あるところに貸したとき、約1000枚が紛失してしまった。その顛末はここで書かない。

●僕があまりお祭りを撮ることに興味がわかないのは、それがあまりに写真の題材になりやすからだ。だからといって、祭りは手ごわい。ちょこと行って撮れるものじゃない。その祭りを正面から受け止める、気力がなければ撮れない。
●それでもアマチュア写真家たちは、祭りの写真が好きだ。(僕は日本カメラのコンテストのカラープリントの選評を今年2007年、1年間やっている)もう9月号まで終わったから、あと3回だ。そこでもさまざまな日本中の祭りの写真が送られてくる。そしてそのほとんどが、決まりきったスポーツ写真のような、クライマックスの写真が送られて来る。現実として、目の前のお祭りは、非日常だ。ところが、ひとたび写真になると、ありふれた題材になってしまう。写真のなかでは、祭りはただのたいくつな日常だからだ。
●何がいいたいかというと、祭りの写真は難しいということだ。撮るこつは、祭りの中心より、その周辺を撮ることだ。
●さて、榎並さんの写真展を見た。おわらの八尾町にもう、10年も通っているらしい。
今やおわらもブームで、2万人の八尾町に3日で30万人も押し寄せるらしい。
例えば阿波踊りのような、リオのカーニバルのようににぎやかな祭りは、観光客が、その祭りをさらにもりあがることになるだろう。
でも本来「おわら風の盆」は、盆おどりの変形、地元の人間のための静かでささやかな祭りだった。そのへんのことは、WEBで調べればわかるのでここでははぶく。
●榎並さんは、「おわら風の盆」を知るなら、1985年に発表された高橋治の「風の盆恋歌」を読むといいと言っていた。ぼくはすぐに手に入れて読んだ。読んでこの祭りの本質を知ったような気がした。
高橋治が小説を書いた時代には、すでにおわら風の盆は観光地化されていた。
今ほどじゃないけど、昔の風情は、一般の観光客の帰った、深夜こそわずかに味わえるものだったらしい。
それも今や、ほとんど残ってない。
●それでも、観光地化されたおわらを今訪れる人たちの誰もが、味わうことののできるものがある。
それは、「空想のおわらだ」。雑踏をみても、雑踏を構成している見物人のひとりである自分も、消すことだ。
そして高橋治が描いた、さらにもっと、もっと昔のおわらを、想像する。
高橋治だって、昔のおわらを想像したに違いなし。
何もない、素朴なおわらを。
●榎並さんは、写真の題材にきわめて難しいおわらに惹かれた。もう10年も通っているらしい。
きっとおわらの本質は写らないのだ。そんなことわかっている、とばかり写真を撮る。
それはそこにいて、空想するものだからだ。
榎並さんは、ギャラリーに越中八尾の裏路地を再現した。
遠くから聞こえる、三味線、胡弓、太鼓。
●そしてその会場にいる人は、今八尾にある「おわら」ではなく、遥か空想の「おわら」を想像する。
まんまと、榎並さんの術中にはまり込む。


●暑気払いに、ちょっと遠いけど、品川キヤノンギャラリーSで、空想のおわらを体験してください。
スペースは素晴らしいけど、ちょっと場所は不便。駅から高層ビル街(品川インタシティ)のスカイウエイを8分も歩く。どってことないか。2Fのオープンギャラリーは、鉄道の写真展をやっている。それに、最新のCanonのカメラがぞろっと触れる。
本当は、デパートの祭事で多くの人に見てもらう内容かもしれないが、
でもそうなると混んでしまう。
すると、空想の「おわら」には行けない。
あまり人が詰め掛けてもいけないのかなぁ。
そういう意味では、キャノンギャラリーSは、ベストなのかもししれない。

●ご注意 日曜、祭日が休館日、
それと会館時間が、am10時~pm5時半という、見ることを拒否するような
設定なので、ご注意。土曜日ぐらいしかいけないよね。
その分、9月25日までと長いけど、やはり暑い時に見たほうが……。


●とっても素敵な写真展、おすすめです。★★★★★


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Comments

今週末は10月に開く練成の同期会作業で行けませんが来週行ってみます
帰りに松○屋に寄って安くなった中古カメラかレンズでも買ってきましょう

Posted by: yutaka | 2007.08.31 at 10:01 AM

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