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2007.10.11

必見! 写真集 夕張 あの頃の炭都 

Tantofoto
●前回のBlogでも紹介したが、「あの頃の炭都 夕張」安藤文雄ほか著(河出書房新社刊)160ページB4サイズ。¥2400が、アマゾンから届いた。先日夕張美術館で見本を見て、すぐ気に入り注文した写真集だ。

●なんと、アマゾンのカスタマーレビューに編集の力量云々を酷評してあったが、なんでそんな評価になるのか信じられない。酷評の理由は年表に、1981年の北炭の事故が抜けている云々で、資料として価値がないなど決めつけているが、見返しのところに人身事故年表がきちんとついている。他に弱冠の誤字、脱字があるが単なる編集上のミスなのに、この素晴らしい写真集を全否定するような、レビューは疑問だ。ある種の匿名のことばの暴力にも思える。
●この本はあくまでアマチュア写真家、安藤文雄さんの夕張の写真集だ。ボクは★★★★★をつける。写真のほかにも年表や、いくつも興味深いエピソードが挿入され読み応えがある。編集はかなりきちんとしている。
もっとも文章を読みたいのなら、違う本があるだろう。これはあくまで写真集だ。
ぼくは、匿名でブックレビューは書かないので、誰かまっとうな評価のレビューをアマゾンに書いてほしい。こんな素晴らしい写真集がつまらないレビューで誤解を与えてしまうのは残念です。

●さて写真集のほとんどの写真を、1925年生まれの、安藤文雄さんが撮影している。編集の都合上、説明の意味で他のカメラマンの写真も挿入されている。
撮影年号から見ると、国策上石炭から石油に代わりはじめるた、1950年代から1960年代前半の写真がほとんどだ。夕張炭田の最盛期、一番賑わった時代のスナップショットだ。
その写真には、炭坑街の日常が確かな腕で活写されている。この頃の地方のアマチュアカメラマンがいかに優れていたかの証拠だろう。
●炭坑の写真といえばきっと新聞社などには、事故や事件の写真がたくさんのこっているのだろう。そうではなく、炭坑街の日常、生活者やその子供達の様子はそこに住む人間にしか写せない。個人的いえば、その頃の写真だけで構成するやりかたもあったろう。
1960年代以降、70年代の写真があまりないが、今回の編集で落としたのか、それとも安藤さんが忙しくなり撮影する時間がなくなったのか、それとも何らかの理由で、安藤さんの撮ることの情熱が失せたのかはわからないが、だからこの写真集には、没落してゆく炭坑の写真はないし、そして石炭採掘工場としての夕張の内部は写っていない。
テーマはあくまで、炭都の日常、最盛期の炭坑街の日常の記録だ。いや単なる記録なんかじゃない。ひとりのアマチュア写真家の捉えた写真のなかにこそ存在する鮮やかな日常だ。
いまや夕張は、過疎の町といわれているが、同じこの場所に50年まえは、炭都と呼ばれるほど、反映した時代があったことに驚くだろう。
今、単に夕張が財政破綻して全国的に話題だからということではなく、日本全体の象徴として、歴史に翻弄されたこの盆地の町の栄枯衰勢を、現在の夕張を訪れて、想像してみるのもよいだろう。
そしてカメラを持っているのなら、この写真集に写された、昔の栄華を想像して、写真を撮ってみたい。
いまや夕張の山々は自然の樹木に覆われているが、かつて雪の夜になれば、まるでクリスマスツリーのように、炭住の灯りで谷あいは包まれていた。それはまるで、滝廉太郎の「荒城の月」じゃないか。そんなふうにセンチメンタルな気持ちで夕張を訪れる。そのためにも是非見ておきたい、そして手元に置きたい写真集だ。
●これから18年かけて、夕張の市民は借金を返してゆく。そんな彼らにエールを送る意味でも、この写真集を手にしてほしい。

●写真集の構成は、
1子供の暮らし
2本町通り
3炭住と祭り
4雪の生活
5ヤマと鉄道
6炭都盛衰

●安藤さんは、大正15年(1925年)、夕張に生まれた。
 小樽中学から仙台二高に進み、昭和25年北大を卒業している。その後、禅宗の本山『永平寺』で一年間修行を積み、昭和27年(1952年)から実家の『禅峰寺』で僧侶を務めながら、夕張北高校定時制の教員を30年間務めている。昭和60年(1985年)に退職、子息とともに住職である。北海道写真協会会員。昭和61年から平成2年、平成13年から2年間の通算6年間、夕張市文化協会会長。……ところで今でもお元気なのだろうか?

●安藤文雄さんの他に、大﨑盛、田崎節郎、渡辺実氏が撮影している


Yuubari
2007.10.5 am11:43 夕張

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