GRD2で、京都の紅葉を撮る?
先週末、京都造形芸術大学で、RICOH GRDigital2と 写真集、100photographers GRSNAPSを発売記念イベント、写真展と、それのおまけで僕の「キャンデッドフォト」「スナップショット」についての、独断的な特別講座のため、京都に行った。会場は70名ぐらい。僕の1967年から最近のGRDで撮ったスライドを見せながら約2時間話をした。
スナップ写真や、ストリートフォトは現在、きわめて厳しい状況になっている。先日、NIKOND3をテスト撮影していて、家の周りの路地を撮影していると、その大げさなカメラで何をしているの?といった、かつてでは考えられないような視線を浴びた。今の日本人はなにをビクビク生きてるんだ。プライバシーって、家のなかを覗いているわけじゃない。道から見える、そりゃあちょっとボロの、古びた家がボクは好きだし、カメラマンってだいたい朽ち果てそうなものに惹かれてしまう。それはきっとフォトジェニックだからなのだが、滅びの美だと思うけど、撮られるほうは、イヤなのかもしれない。それは若い女がよくて、老人は美しくないと考えることに似ている....。
まあ、そんなことを書きたかったんじゃない。金曜日のレクチャーのあと、翌日、京都は暖かく、絶好の紅葉日和だった。ボクはあんまり観光地で撮影したりしないけど、新しいGRD2を持って、紅葉を撮ってみようと思った。
でもなかなか紅葉は難しい。いや、自然の風景はなぜか撮っていて、ストレスを感じる。なんかありふれた感じだからだ。美しいものを写真に残す。デモ誰が見ても美しいものは、ただ目で見ていればいいような気さえする。
そんなことを考えていると、ついクローズアップになってしまう。そして結局、お寺とお寺の間のなんでもない場所でスナップすることになる。
Photo GRDigital2
光悦寺 鮮やかに紅葉することなく落ち葉となる
DtoHにて撮影。 (写真をクリックすると拡大します)
光悦寺 なんだか紅葉より、枯葉に惹かれる。
光悦寺 そして晩秋なのに青々とした葉。なぜか美しい葉には傷がついていた。
光悦寺 唯一の紅葉の写真。
一乗寺 ぜんぜん色づいていないモミジもある。
光悦寺 花びらがばらばらになるから、サザンカだ。
圓光寺 皆紅葉を見ながら、のんびりと休んでいる。あー、日本っていいなって思うのだろう。
圓光寺周辺 結局ぼくは路地裏を散策する。
圓光寺周辺 テレビを買い換えたんだろう。こんな情景が好きだ。
圓光寺周辺 周辺の道案内、交通整理のオジサン。いい顔をしていた。雑談しながらキャンデッド。
圓光寺周辺 一体この写真の何に惹かれるのだろう。
●最後に紅葉の写真
今年は遅いようです。でも赤や黄色にしっかり色づいてもいます。ところが、針葉樹でもないのに、それこそかえでさえ完全な緑色があるしまつです。紅葉といえば、ベージュと黄色と赤のグラデーション。それが今年は緑が強くなんだかへんなのであります。
一乗寺
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Comments
講演おつかれさまでした。自分は京都まで出掛けられなく、残念でした。
スナップにおいては、宣言するが如く、バッテリーグリップのついたデジタル1眼で、確信犯的に撮影しています。
ですから、自分の方に確固たる信念が漲っていないと、雑踏の力に負けて撮影出来ない事もしばしばです(笑)。
時には「盗み撮り」の謗りを甘受しながらも、「隠し撮り」や「覗き撮り」とは別物の行為である事を支えにしながら、スナップは続けたいと思う、今日この頃です。
Posted by: daniele | 2007.11.21 10:14 PM