横木安良夫流スナップショット&写真展2
僕は世界を自分の目で見ているのだろうか。
「いやオマエは、何も見ちゃいない」
僕が撮った写真……。
「それはオマエが見たものなんかじゃないよ」
でも目の前の、あるがままだよ。
「ただレンズが見ていただけさ」
だったら僕は、ただのカメラの引率者なのかい?
「そうさ、それなのに、世界を見たような気になっていやがる」
僕がカメラに指令したんだ。
「フン、『さあ、今だ!撮れと!』とね、お笑いだよ」
この写真は僕のものだよ。
「くだらねえ!」
これは僕の目によって選ばれたんだ。
「オマエは世界の何も見ちゃいないんだよ」
でもこれは僕の目の前にあった、あるがままだよ。
「極小の針の穴から見たあるがままさ」
それだっていい。僕はずっとこれを眺めているよ。
「死ぬまでね…」
お知らせ
●その1で報じたとおり、5月10日に、枻出版社の、えい文庫から、「横木安良夫流スナップ」を出版します。デジタルカメラ時代になり、写真を撮る人は、劇的に増えました。その上、携帯電話が日本では1億台を越したということは、ほとんど、カメラつきなので、少なくとも、1億台以上の、カメラがある時代です。
そんな、時代、スナップショットは、とても微妙な位置あります。例えば肖像権、見知らぬ人を、黙ってストリートで写真を撮っていいのでしょうか?いや、そればかりか、住宅街で一眼レフカメラを持って、歩いているだけで、怪しまれます。
かつて、ロバート・キャパは、インドシナで地雷を踏んで亡くなる前、日本は「写真の天国」だといいました。
それは、街で、自由にスナップをしていると、撮った側も、撮られた側も、まるで良いことのように、幸運に思えたからでしょう。世界を旅すると、まだそんな国はたくさんあります。
でも、今の日本では、黙って写真を撮られることは、不吉なことです。だから、きちんと相手に断わってから、写真を撮りなさい、許可を受けなさいと言われます。
でも、それは、スナップショットなのでしょうか。
いや、もっといえば、自然なあるがままを撮る盗み撮り、キャンディッドフォトは、犯罪なのでしょうか。
そんなようなこと、日々考えていることを、書きました。
そこに僕の撮った1967年から2008年までのスナップ写真、129点が紹介してあります。
文庫に出版に合わせて、写真展「GLANCE OF LENS」を四谷のポートレートギャラリーで5月22日から28日まで開催します。
会期中は、基本的に会場にいる予定です。
また、5月24日(土)6-8時で、写真編集者のタカザワケンジ氏とギャラリートークをやります。
スナップショットについて、突っ込んだ話をしてみたいと思います。
横木安良夫流スナップショット
5月10日発売 202ページ 660円+税 写真 124点
●編集・企画 :藤田一咲 ●カバーデザイン:竹川雅宣
●あとがき より
スナップショットについて、最初はもっと気楽なことを書きたかった。
ただ、昨今の肖像権の問題や、それどころか住宅地の路地をスナップしテイル時でさえ、冷たい視線を浴びせられる現実。やはり日々考えていることに触れなくてはと思った。
そこで僕のスナップショットのよりどころをここにまとめたのだが、極めて偏狭な知識シナ持ち合わせていないはずなのに写真の歴史までダイジェストしてしまった。
僕は学者じゃない。ただの写真実行者だ。ここに書いたことはスナップショットをする人たちに向けたものというより、実は自戒でもあるのだ。こういうものが少しでも、読者の参考になれば幸いです。
…後 略 …
●もくじ より
016 はじめに
第一章
025 スナップショットについて
026 スナップショットは、運動だ
036 〈人間の目〉と〈カメラの目〉の違い
052 ストリート・スナップとストリート・ポートレート
056 肖像権について
第二章
092 写真の歴史とスナップショット
093 写真の始まり
105 スナップショットの始まり
112 キャンデッド・フォトの誕生
120 スナップ・ショットの時代
124 ライカの登場とフォトジャーナリズム
132 現代写真の始まり
第三章
140 実戦横木安良夫流スナップショット
141 テーマを決める。実は場所と時間を決める。
160 カラーで撮るか、モノクロか!
164 デジタル写真と銀塩写真
172 単焦点レンズとズームレンズ
176 実戦ストリートスナップショット
188 あとがき
192 撮影データリスト
2008年5月22日(木)~5月28日(水) 会期中無休 am10-pm6 (最終日はpm2時まで) 入場無料
ポートレートギャラリー
約60点の展示です
●BLOG 最新情報
●5月24日(土) PM6:00-PM8:00 ギャラリートーク タカザワケンジ VS 横木安良夫 (無料)
★DM フライヤーデザイン トラウト
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