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2008.05.17

横木安良夫写真展と文庫本出版のお知らせ!

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写真をクリックすると拡大します。

●5月22日(木)~28日(水)まで、四谷にある、ポートレートギャラリーにて、
横木安良夫写真展「Glance of Lens~レンズの一瞥~」を開催します。詳細

am10時からpm6時まで。会期中は無休です。最終日はpm2時まで。
5月24日(土) pm6時~8時まで、タカザワケンジ氏とスナップショットについて、ギャラリートークをします。
入場は無料です。申し込みの必要はありません。ただ、椅子が限られているため、混雑の場合、立つか床に座るかになるかもしれませんが、ご了承ください。

●5月10日に、エイ出版社より、
「横木安良夫流スナップショット」を発売しました。詳細
★「横木安良夫流スナップショット」は、写真展会場でも販売しています。横木は会期中基本的に会場に詰めています。サインをしますので、気軽に声をかけてください。

★そのほか、展示したオリジナルプリントの販売をします。
また今回は、箱入り10点セットの写真も11x14サイズと8x10サイズを販売します。
会場で予約し、BLITZ INTERNATIONALからの販売になります。


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★またやられた。

アマゾンのレビューっていつも、困惑する。しかも、ペンネームは許せるとしても、その名前で多くのレビューがあればその評者の価値観や人格が分かるが、匿名のようなペンネームで書き捨てるようなレビューは卑怯だと思う。
特に全否定するような場合には、書き方がある。


読むところがない, 2008/5/17
By siro - レビューをすべて見る

著者の過去の作品と、スナップショットについて思うところをまとめた本です。
肖像権等の法律論にかなり紙幅を割いていますが、用語も論理構成もかなり粗雑です。(著者は、民事と刑事の区別もついていないのでは?)また、撮影技術についての記述も、ズームレンズ普及以前から写真を撮っている者には当たり前の内容と思われます。ある程度若い世代の方ならそうでないのかもしれません。少なくとも法律論の部分については、編集者が助言すべきだったと思います。

●反論
民事、刑事の区別を知らないわけはないでしょう。マア法律用語に関してファジーなことは認めるけど。
のぞきのようなわいせつ的な盗撮は刑事事件です。でもいわゆる街でのスナップ的な盗み撮りは、猥褻性がなければ、警察は介入できません。
撮られて肖像権侵害をを主張したいのなら、親告罪なので民事訴訟するしかありません。実際は撮影時より、発表するときが問題ですが。

さて、僕がこの本のなかで書いたことは、例え警察が介入しない肖像権の問題を、弁護士に聞けば、町のなかで他人を黙って撮ることは、立派に肖像権侵害だと、ほとんどの弁護士が答えるからです。
街で、他人を撮るには、承諾を得ることが必要、当然発表も承諾が必要だと結論されます。
たしかに日本写真家協会の肖像権ハンドブックにはそう書かれています。
それでは、スナップショットの死です。
では、スナップショットは撮ってはいけないのか。
それがテーマで書いたのです。

僕はここで、厳密に法律的なことにこだわってません。
大きく言えば、憲法上の権利を書いたのです。
表現の自由についてです。

★なぜスナップをしてよいのか、それは先人達が撮ってきたスナップ写真の歴史があるからです。
だから現代に繋がる歴史の概要ぐらい知ってほしいというのが趣旨です。

★さて、公道で「盗撮だ」と警察に突き出されても、撮った写真に犯罪性がなければ、警察は介入できません。
告訴されないということです。
本では書きませんでしたが、当然僕は警察に突き出された経験もあります。
そこで、刑事とその点を話し合ったこともあります。
いまやデジタル時代、撮った写真に後ろめたさがなければ、証拠として残ります。
自分が撮った写真をどうどうと見せればよいのです。
問題なければ、国家権力によって守られることさえあります。
そしてなぜ撮っているのか、きちんと主張するべきでなのです。

ただ警察が介入できなくても、もちろん被写体は民事訴訟ができます。
僕の論旨は、そういうことを分かった上で、現実的なことを、書いています。

表現の自由がある、民主主義社会では、芸術やジャーナリズムは、法律に対して、戦う権利もあるということです。もし負けたとしても、ジャーナリスト、アーティストは、恐れることではないのです。
負ければそれは、あくまで個別的な敗北でしかありません。
自分の信じる表現があるならば、表現の自由によって、それは守られている、民主主義社会というのはそういうものだというのが、僕の論旨です。

●もう一つおまけに、なぜ僕が表現の自由を持ち出すかといえば、それは僕は、匿名ではないからです。匿名の言論は、検閲など、国家権力やある種の権力組織、自分が物理的に不利益になるときのみ、評価できるものです。個人の批評や攻撃は、匿名では無効だと思っています。
アマゾンのレビューはいつもそういう意味では、不快です。
僕が、表現の自由を持ち出すのは、僕は逃げも隠れもしない個人だからです。
個人として僕は憲法により守られていると信じているのす。

だから、肖像権で訴えられたら真摯に対応し、最悪は、信念があれば訴えられても受けて立ちます。
それは、現実を引用する写真家にとっては、さけては通れないことです。


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Comments

僕は表現に関しては、プロもアマチュアも関係ないと思っています。肖像権で訴えられて、もし裁判で負けて損害賠償を受け入れたとしても、自分が正しいと思うなら、また同じように撮り、発表します。プロとアマの違いがあるとするならば、プロは表現のために、筋を通すことで、写真家として、社会生活者として、評価が下がるとは思えないからです。
アマチュアの場合、最悪の場合、そこまで戦う気持ちが持てるかでしょう。
それには例えアマチュアだとしても、写真展を開き、写真集を作り、常日頃、WEBで、少しずつでも自分の表現を認知されるように、実戦してゆくことです。今日初めて一眼レフを買った人が、僕の本の表紙と同じようなものを撮ったとしても、それはただ、興味本位としか思われないでしょう。
かつて戦前のことですが、表現としての日本の衣や世界の写真界をひっぱっていたのは、アマチュアです。
アマチュアだから、趣味として撮ればよいのではなく、アマチュアこそ、もっと自由に表現に関わるべきです。芸術にプロもアマもありません。
そういう意味で意識的なアマチュアの団体ができたらいいなと思います。
徒党を組むという意味ではなく、困難な時代、意識的人たちでに団結すればいいことではないでしょうか。


Posted by: alaoyokogi | 2008.05.19 04:34 PM

初めまして。福岡に住むトモアキーニといいます。(横木さんが管理人のミクシィのコミュにも参加しています)
僕も発売日と同時に横木さんの本を買いました。

僕は15年ほど前から写真を始めたんですが、ここ数年はスナップ写真をあまり撮らなくなりました。
それは正に肖像権が絡んでくるからです。

ですから今回の文庫本の肖像権に関する文章は特に興味深く拝読しましたが、一つだけ疑問に思ったことがあります。

「表現の自由がある、民主主義社会では、芸術やジャーナリズムは、法律に対して、戦う権利もあるということです。もし負けたとしても、ジャーナリスト、アーティストは、恐れることではないのです。」

と、↑のブログにおいても書かれていますが、僕のようなアマチュアが撮影している場合、それらの写真を「芸術やジャーナリズム」であると言い切れるのかな、ということです。
ましてや、自分をアーティストとは言い切れません。
(「アーティスト」は自己申告だと思っていますし。)

僕も横木さんが表紙で使われているような女性の身体の一部をノーファインダーで撮影したことがあります。
ですが、もし僕が表紙の写真とまったく同じような写真を撮ったとして、プロの写真家による写真と、僕のようなアマチュアが撮影したそれとでは、社会の見る目が違うのではないかなと思いました。

結局、アマチュアが撮った写真である以上は、それを「アート」であると説得する力は無いのではないかと思ったのです。

でもアマチュアにだって、表現の自由はあるはずなんですが。

Posted by: トモアキーニ | 2008.05.19 09:58 AM

買いました。そして読みました。横木さんはプロの写真家で、ご自身で責任をとる以上、お考えになっていることは正しいと思いますし、写真家の横木さんが法律に詳しいくらいだったら、写真は下手でしょう。
それよりも、街中で事前の承諾なしにビデオカメラを回してインタビューを強制的に実行しているテレビ放送の類のほうが問題であるとおもいます。
昔、ある量販店の特価販売の列に順番待ちで並んだことがあり、テレビ局(カメラに放送局のシールが貼付)のカメラマンに突然撮られたため、列を抜け出してそのカメラマンに「なぜ、撮る前に撮影許可を求めないのですか?」と尋ねると「そう、そう、そういう風に言って欲しかったのですよ。」と返されたことがあります。突然に撮り始めてもだれもなにも反応が無ければ、撮影は許可(どのように使用されようとも)されたという暗黙の了解なのでしょう。まあ、撮影を許可したお店側に責任があるのかも知れません。

在日タイ人 クリエンクライ・ラワンクル

Posted by: ラワンクル | 2008.05.18 07:55 PM

いろんな意見があるんですね。私はこの本を見て読んで、著者は撮影者に、スナップを撮るなら、相当の覚悟をして撮りなさいと言っていると感じました。その度胸がないならやめなさいとも感じました。自己表現はしっかりとした信念を持って、堂々と撮りなさいと言われていると感じました。そんな信念が無いから自分の写真は中途半端なんだなとも感じました。ハンディーで良い写真集です。いつもそばにおいて眺めていますよ(笑)頑張れ!横木先生!(笑)

Posted by: kashin | 2008.05.18 08:00 AM

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