RICOH GX200 135mm(相当)テレコン
GX200 135mm相当テレコンを装着。この写真はGX200 でズームし72mm相当で撮る
●GX200にこのテレコンをつけると、かなり立派になる。でも実際は、軽量コンパクトだ。
冬のコートの大きなポケットなら入るだろう。フォーカススピードは残念ながら、
現代のデジタル一眼の望遠とは比べ物にならない。次世代コンパクトデジカメの課題だろう。
でも、デジ一なみになったら、空恐ろしいが。
●明日、7月4日、RICOH GX200が発売される。予想通り、
自動開閉キャップの予約がすごいらしい。さて、新しいテレコン、、
1,88倍のTC1、35mmフルサイズ、焦点距離135mm相当で接写を試してみた。
●135mmレンズというと立派に望遠レンズだ。
一般に望遠レンズは遠くのものを撮るレンズだと思われがちだ
。かつて僕が写真を始めたころは、135mm望遠は大人気だった。
なにしろ、レンジファインダーからパララックスのない
、一眼レフ時代(時代を感じる、僕はそんな時代に写真を本格的にはじめた)になり、
望遠レンズが誰でも自在に使えるようなったのだ。
●当時、200mmレンズはかなり大きく、135mm望遠はポートレートレンズとしても使え、
万能望遠レンズとして人気だった。
もっとも僕はアサヒペンタックスSPで、55mmf1.8の次には105mmを買ったが……僕の周りは、
望遠効果の感じられる、135mmレンズが多かったような気がする。
●さて、望遠レンズは遠くにあるものを撮ることと、背景をボカすときに使われるが、
実は望遠レンズの使い方には、もうひとつ重要な使い方がある。
それはパースペクティブを自然に見せるということだ。特にクローズアップのときには、
被写体に近づくので、パースペクティブが強調されてしまう。
標準レンズで、人物の顔を縦位置でいっぱいにいれると、
レンズに近い鼻が大きく写り、耳が小さくなる。中望遠は、クローズアップになっても、
離れて撮るので、そのパースペクティブが自然に見え、そのためポートレートレンズと言われる。
望遠レンズで撮ると、被写体のボリュームがでるともいえる。
望遠レンズの圧縮効果ともいう。女性を超望遠で撮ると、
肉感的に写る。水着やヌードの女性を肉の塊のように撮るなら、
超望遠だ。かつてそんな理由でグラビア写真は望遠の写真が多かった。
逆を言えば、スレンダーに撮るなら、標準からワイドで撮るといい。
●望遠効果、実はこれは、レンズの特性とは言い切れない。
パースペクティブという、なんというか自然の摂理と言うか、
手前にあるものが大きく見え、遠くのものは小さくなるという、ごく当たり前の原理だ。
それは、肉眼で簡単に確認できることだ。目の前に手をかざすと、その手はビルディングより大きい。
日常あたりまえに思っていることも、良く考えてみると不思議だ。
望遠効果というのは、遠くの景色を望遠レンズ(鏡)により、切り取っているにすぎない。
肉眼で、遠くを見れば、ビルなどは重なって見えるだろう。
標準レンズで、奥行きのある街を撮り、遠くの景色の一部をトリミングすると、
それは望遠レンズで撮ることと同じだ。肉眼だって確認できる。遠くの景色は重なっている。
●それは目のまえの1mの奥行きと、100mさきの1mの奥行き感は全く違うからだ。
100mさきの、奥行き感は、ほとんど0ともいえる。だから圧縮して物が見える。
●ある物体を見るとき、それは距離に寄って見え方が変る。これはとても大切なことだ。
人間は、脳で視覚情報をコントロールしているからそんなことはあまりわからないが、
カメラはそれをあからさまにしてくれる。カメラが人間の視覚と違うのは、ただの物理作用だからだ。
●写真を撮るには、被写体のとの距離による、心理的な作用も大切だが、
被写体との距離による、物理的なものの見え方が変ることも重要だといえる。
★どの距離で見るか。どの距離で撮るのか。
●ワイドレンズと望遠の違いを、ワイドレンズは広く撮るとか、望遠は遠くを撮るのではなく、
被写体の近くで撮りたいときはワイド、被写体と距離を持って撮りたいときは望遠レンズだともいいえる。
●これまで、僕は、GRDやGX100をこのサイトにUPするとき、
いつもGX100を、72mm相当にして撮っていた。これまではそれが一番望遠だからだ。
しかし72mmで寄りすぎるとパースペクティブが強調される。
それに、マクロレンズでよく問題になることだが、望遠マクロが使いやすいというのは、
小さな被写体との距離をとることができるし、その分ライティングもしやすい。
●とにかく、GX200ように135mmテレコンは、立派に望遠マクロレンズで、
最大なんと3センチぐらいまで寄れる。一番クローズアップで撮った、GX200のレンズの銅鏡(?)は、
直径が3センチ。これはすごいことだ。
今回、あまり明るくない、蛍光灯の入った、
ライトテーブルに置いて撮ったお手軽撮影のこの写真は、絞りがf8ぐらい、
小さなCCDの特徴である、ピントの深さによって、いとも簡単にクローズアップ撮影をものにしている。
試しに、35mmのマクロを持っている人がいれば、これだけUPにして、
ピントを深くすることがどんなに困難なことかわかるだろう。
●かつて、銀塩時代、大型カメラでアオリを使い、大光量のストロボを照射して、
撮った時代……、こんなに簡単に、クローズアップが撮れるなんて夢のようだ。
しかも望遠だから被写体とは距離をもてるので、(パースペクティブ)が少ない。驚きのレンズだ。
テレコンで正面から撮った。さすがに135mmのパースぺクティブは自然だ。
写真をクリックすると拡大する。
ここまで寄ってこのピント。かつての僕の頭では、信じられない世界だ。
ロシア、ウラジオストクの街のすぐ沖にある、ロシア島を観光して、帰りのフェリーで。
135mmテレコン。右に端にボケているのは、カモメ。写真をクリックすると拡大する。
かなりシャープな描写だ。
●ウラジオストクのTEXTは、6月6日のBlogを読んでください。
●デジカメWatch GX200NEWS
●デジカメWatch GX200発表会 ニュース
●今回の写真は、7月10日発売の、
ニッケイスタイル「REAL」誌で紹介します。それには、
僕が書いた小説「軍艦の墓場へ」という、恋愛小説がついてます。
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