DP1マニアックマニュアル佳境
8月22日発売される、SIGMA DP1 マニアック・マニュアルは、
今週が校了だ。
写真集などと違い、ムックは雑誌とほぼ同じスケジュールで制作される。
デジタルカメラの本誌が20日発売だから編集部は夜遅く、深夜になっても大勢がのこって仕事をしている。
今回のムックは、DP1で撮った写真は全部僕の撮り下ろしだ。
通常カメラのムックは数人のカメラマンをたて、数ページから、十数ページを分担する。
新しいカメラのインプレッションとして、自分のスタイルで撮り、個人的なインプレッションを書けばいい。
まあ、特に僕のようなメカにあまり詳しくないカメラマンに求められているのは、
カメラやレンズの性能うんぬんより、そのカメラでどんな写真が撮れるか、
そして作例ではなく、ちゃんとした僕の写真が求められている。まあ、僕は作例も撮れないし
、自分の写真しかないわけだけから、どんなカメラを使っても、
べつに特別苦労しているわけじゃない。写真の良し悪しは、カメラにあるのじゃなく、
僕自身だからだ。
さて、こんかい一人で、一冊のMOOKを担当した。僕はそれをちょっと甘く考えていた。
写真を撮ることは問題ない。ただ、この本は、
数号前にデジタルカメラの新編集長になったK氏が(サーファーだ)、
DP1で写真を撮ることに目覚めたため、
彼の肝いりで作ることになった本だ。だから彼が一番熱い。
そのため、いつもの僕の本のように、写真と文章を書きっぱなしと言うわけにはいかず、
なにしろ僕がそれまで出してきた本は、あくまで書籍で、MOOKではなかったので、
写真+文という、セッションのようなものだ。
今回求められているのは、もう少し丁寧なつくり(良い悪いではない)になっているので、
僕はまるで雑誌の編集者のように、編集部に行って、文字を直したり、書いたり、している。
編集者からいわせれば、たいした労力ではないのかもしれないが、楽しんでいることは事実だ。
なにより、仕事場でひとりで原稿を書くのと気分が全然違う。
DP1 目黒 写真をクリックすると拡大します。
もともと僕は、同じ場所で書くとあきてしまうし、気が散るので、編集部で書くのは嫌いじゃない。
特にデジタルカメラでは、毎月、フォトコンテストの選評をしているので、
まあ枚数も日本カメラのときのように何千枚もくるわけじゃないので、
毎回写真を選んだらすぐに編集部で書いていた。もって帰ると、
書くの時間がかかるからだ。日本カメラのときは、写真を選んでからすぐに書けばいいものの、
いつも締め切りぎりぎりまで書けなかった。
編集部で書くのは、まるで図書館と同じような、勉強モードではないが、
場に、仕事モードのオーラがあり、能率がいい。だから、今回もかなりの原稿は編集部で書いた。
と言うのは嘘で、最初はわがままをいって、会議室を空けてもらったり、
贅沢していたが、だんだんいつものように編集部の打ち合わせテーブルで書いている。
必需品は耳栓だけだ。よく近くのファミレスでも書くが、やはり耳栓があると集中できる。
DP1 世田谷
編集部で書いていて、今のように最終の追い込みの編集員たちを見ていると、
すごくハードに仕事しているんだとちょっと尊敬する。
入稿、校了など徹夜はあたりまだとは知っているが、実際はそん場に僕はいることはなく、
とっくに写真を入稿しているので、あとは校正刷りがあがるのを待つだけで、
意外とのんびりしているときだから彼等と接点はない。だから彼等のハードな様子は気にもしてなかった。
よく、そんな時に編集部に電話して、飲みに行こうよなんて強引に誘ったりすると、
どんなに迷惑かよくわかった。
まあ、編集部にもよりけりだけど、カメラ関係は細かいことも多いし、頭がさがる。
僕のように、勢いで写真を撮り、勢いで文章を書いているわけだから、
そのあとの編集の作業がいかに面倒か、ちょっとはわかった。
まあ、長年やっているので、本当はわかっているけど、そのあたりは目をそらしていた。
今日も、ロケハンのあと、夕方は編集部に行く。
どんな本ができるのか、お楽しみに!
The comments to this entry are closed.
Comments
どんな風に原稿を書いているのかが判りました(笑)
ムック本の発売を楽しみにしてます。
Posted by: photo_artisan | 2008.08.08 07:14 PM