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2010.01.03

A Happy New Year!2010

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新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

この年賀状は「世界の街道をゆく」のディレクター、狩野喜彦氏と一緒につくりました。
写真は、新年から放送される、「アメリカの建国の道」のなかの写真であります。
小さいので文字が読めないと思うので、紹介します。

テレビ朝日
世界の街道をゆく
昨年10月から始まった75秒のミニ帯番組、
EOS5DMarkⅡを使い、横木安良夫と狩野喜彦のコンビで、
今年も世界中を走り回ります。

放送予定
1月 アメリカ建国の道  2月 フランス英雄の道 3月 ベトナム繁栄の道

テレビ朝日 毎週 月~金 PM8時54分から
提供  キヤノン
演出 狩野喜彦 撮影 横木安良夫 テーマ音楽 篠原信彦 ナレーション 坂東三津五郎
制作著作 テレビアサヒ テレコムスタッフ


●さて、昨年は、あまりBlogを更新しなかった。12月などはなんと一度も書き込むこともなく、訪れた人のカウンターを見ると3分の1ぐらいに減っている。もう少しまじめにやらないとBLOGをする意味もなくなるので、今年は少し心を入れ替えてUPするつもり。1月7日からベトナムに行く。もちろん「世界の街道をゆく」の撮影だけれど、今回は10日間ぐらいなので、ベトナム南部の取材だ。2月は、ヨーロッパ、アフリカ方面に一月ぐらいのロケになるかもしれない。いまや世界中どこでもネット環境があるので、ロケ中からでもUPできるので、がんばってUPするようにこころがけます。


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未来系デジタルカメラシステム、RICOH GXR

RICOHから、きわめて特異なデジタルカメラシステムが発売された。
巷では、フォーザーズのオリンパスペンが話題だが、そのコンセプトは銀塩時代の名レンズが装着可能という、これまでのカメラの歴史と最新のデジタルカメラを接着させ、そのうえさまざまなエフェクトが楽しめ、なによりもカメラを持つ喜びにあふれているものだ。
一方RICOH GXRそれとはまったく逆のコンセプトのもと作られている。
それは、デジタルカメラはとは何かという、根本的な問いかけによって生まれた直球なきわめて志の高い思想を持ったカメラだからだ。
RICOHのようなカメラメーカーとしては小さな会社、(RICOHじたいはきわめて巨大な企業だが)他のカメラメーカーを追従するようなこともなく、独自の姿勢を持っているカメラメーカーであり、だからこそ、銀塩時代の、GRシリーズや、デジタル時代になっても、GRデジタルや、GXシリーズといった、他社にはない、ユニークなカメラを市場におくりだし、多くのユーザーに支持されている。
それはプレミアムコンパクトといえるジャンルの一番の牽引車でもあるのだが、それとて他社もこのジャンルに強烈に参入するようになり、今や競争は激化している。それでもこのジャンルのリーダーであることは間違いないし、その自負からこの新しいコンセプトのデジタルカメラシステムを提案し、驚くことに実際に実現してしまった。

僕は、GRデジタルをはじめて手にしたとき、コンパクトデジカメを写りに驚き、スナップに最適なカメラだと直感した。それから派生した、GX100、GX200といった、今や僕のサブカメラは、いやスナップカメラとしては、メインカメラになってしまっているが、コンパクトデジカメの可能性、拡張性を知り、もしかしたら小さなイメージセンサーを持ったデジタルカメラは、デジタルカメラのひとつの正しい方向じゃないかとさえ、思い始めていた。
だから、正直、願望として、時期GX、たぶんGX300がすんなりと発売されるのだとばかり思いこんでいた。
それはGRデジタルが、2、3と正常進化をはたし、完成度の高いカメラになったことと同じように、次期GX、GX300は、さらなる完成度を高めて登場するのだと期待していた。

それが半年ぐらい前、時期GXとして内々に見せてもらったカメラは、それまでのGXとは全く違うカメラになっていて驚いた。何より、カメラがひとまわり大きくなっていることに失望した。
GX200と同じサイズのカメラを期待していた僕は、かなりがっかりした。
もっとも、このシステムのなかにある、一眼レフなみの大きなAPS-Cサイズのイメージセンサーと50mm(33mm)標準レンズユニットは強力に魅力を感じた。短焦点の標準レンズ好きの僕は早くレンズで撮影したいとうずうずした。
だからコンパクトカメラとしては、今もっているGX200でいいじゃないかと、無理やり自分を納得させ、気持ちを切り替え、まったく違うカメラの登場だと思いこむことにした。
11月になり、発売まえのGXRを試写できる機会があった。完成品ではなくまだベータ版だ。そのカメラを持って極東ロシアの都市ウラジオストクに持っていくことにした。

僕は10年まえの1999年にウラジオストクで撮影をしている。その写真はアサヒカメラに表紙とたしか10ページぐらい発表している。カメラはキヤノンEOSと4X5で撮った。とうぜん銀塩フィルム時代のことである。
そんなウラジオストクを去年の6月と9月に再訪した。
その町は、10年まえとはすっかり変わっていた。10年まえは、社会主義国家ソ連から、自由経済のロシアになり、経済は混乱し、商店に品物はほとんどなっていた。そして金持ちは経済マフィアの連中だけ、トイレは汚く、レストランもほとんどがまずく、街の景観は美しいが、観光としてはお寒い状態、女性には進められない街だった。それが、昨年の6月訪れたとき、ウラジオストクは一変していた。それはまぎれもなく、極東の都市、日本とロシアの政治関係がよければ、観光地として魅力的な場所に変貌していた。
6月は、ちょっと肌寒かったが、9月は最高の季節だった。北海道の夏を考えればいいだろう。
その2回とも僕はGX200を持っていった。
そして今年の11月、4回目のウラジオストクは、この新しいGXRで撮ることにした。そしてGXRのなかで一番興味のある、50mmレンズを使うことにした。

実は、アサヒカメラ2010年新年号、(現在発売中)に、10ページ、僕の写真が掲載されることになっていた。メインは去年GX200で撮った写真、それに数カット新しいGXRの標準で撮った写真をまぜるつもりでいた。撮り方はキャンデッド、人物に主体のスナップ、絞りはできるだけ開放(F2.5)で撮る段取りにしていた。
この33mmGRレンズの描写のすばらしさはすぐにわかった。切れがいい。凝った絞りは、ぼけると美しい円形ボケになる。この明るさのデジタル用レンズとしては、かなりコンパクトだ。
ただ残念ながら、フォーカスのスピードがあまり速くなく(ベータ版のせいもあるが、どちらにしても特別早くはないだろう)ので、歩きながらのスナップ絞り開放撮影は、無理なような気がした。このあたりは、オリンパスペンも同じようなものだ。
そこで僕は銀塩時代、マニュアルフォーカス時代のテクニックを使うことにした。撮影距離を固定するやり方だ。なんとGXRには、スナップショットという距離固定のシステムがあり、それも自由に距離を選べるというすぐれものだ。このあたりは、GRデジタルやGX200にも簡略されたものがあるが、GXRはこのあたりが、実に簡単にチョイスできる。
そして僕は連写モードにした。これはGRDやGX200でスナップするときよくやるやりかただけど、なにしろGXRは、撮影音がほとんどしないから、連写しても誰も気づかない。すれ違うときは被写体にカメラを向けて、切り出すと、どこかで絶対に完全にピントが合うという、ノーファインダー撮影究極のキャンデッドフォトだ。
その写真は、アサヒカメラ新年号に、縦位置写真として発表している。正確に言えば、トップの女性のアップは、知り合いで、彼女に気づかれなように撮ったものの他の写真とは違う。去年GX200で撮った、横位置写真はどれも、キャンデッド撮影だ。(ちまたでは盗撮という、盗み撮りの手法で犯罪視する向きもあるが、これはれっきとした、写真撮影の1方法である)。
このへんのことは、拙書「横木安良夫流スナップショット」(えい出版社)を読んでもらうとして、割愛するが、GXRの50mmでの撮影は、僕を虜にした。
この描写ができるカメラがこんなコンパクトだなんて、しかも3倍ズームのコンパクトカメラにすぐに変身できるという、贅沢さ。
そんなわけで僕はGXRは、当初、50mmレンズユニットにしか興味がなかった。だからアサヒカメラの写真は最初からそれで撮ることに決めていた。新年号にもそのレンズで撮った写真を発表している。

●ところがである、実は、実は僕はもう一台のGXRに24mm-72mmユニットをつけ撮っていたのである。そして、若干大きくなったものの、それを毎日首からかけて撮っていた。撮っていて気づいたことは、大きくなったものの、これはまぎれもなく、新しいGX、GX300だと思えてきた。GX200のちょっと女性的な華奢な感じではなく、仕事カメラとしてのコンパクトカメラとして質感もあり、2段階ぐらいグレードアップしたしあがりになっていた。もしかしたらその立派さが最初は気にいらなかったのかもしれない。そのGXR+コンパクトZOOM(新GX300)を使い込んでいるいうちに、この大きさや、仕事カメラとしてのコンパクトとしてはベストサイズじゃないかと思えてきた。
なによりGX200よりあらゆる点が進化している。AVFはもう完全に実用だ。操作性は一層進化して、これが新しいGX300だといわれても、いまやなんら不満はなくなっている。だから、「世界の街道をゆく」(テレビ朝日、毎週、月-金、
pm8:54 75秒のミニ帯番組)の撮影中も、EOS5M2を2台持かかえながら、自分の写真のスナップとしてはGXRを首からさげ、撮影している)
そんなわけで、当初思っていた、GXRは、50mmが売りだと思っていたが、僕はすんなりと、GX200の後継機として、グレードアップした質感と操作感を堪能している。そのコンパクトカメラに、APS-Cサイズの50mmがつけられるなんてかなり贅沢な
そして、そして、このデジタルカメラシステムは、僕のデジタルカメラに求めていることの思い込みをはるかにしのぐ、志の高いカメラを産み出し、さらなるアイデアで発展させる、未来のデジタルカメラの第一歩なのかもしれない。
僕の個人的な好みでいえば、コンパクトカメラの部分は、GX300としてワイコン、テレコンの充実、APS-Cに関しては、早急に24mm、もしくは28mmのワイドレンズユニットを発売してほしい。
それに、遊び心として、そのうえ強力な販売促進の原動力としては、既成のレンズが装着できる、交換レンズユニットを発売すれば、鬼に金棒だと思う。そしてレンズの進化ばかりか、新ボディに移行できたりと、また、大きくなっても35mm振るサイズユニットが合体できるとか、夢の膨らむカメラである。
この未来系カメラシステムが、順調に進化、拡大できるように、僕も強く応援したいと思っている。

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告知

YOKOHAMA PHOTO FESTIVALが1月13日~17日まで開催されます。
僕は16日、野毛にて撮影会&ワークショップを開催します。
募集は若干名なので、お早めに予約してください。

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写真展 KOBE HEART VOL.1 1.14-1.24
に参加しています。1月17日のパーティにはかけつけます。

1995年1月 阪神淡路大震災があった。ぼくは数日後にかけつけ写真を撮った。
あれから、15年、有志による写真展だ。
僕は最新の、ウラジオストクの写真を展示する。


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