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2010.04.01

世界の街道をゆく 中国ロケ決行中

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今中国にいる。
香港をのぞけば、僕にとって25年ぶりの中国だ。
1985年に、上海、杭州、蘇州に行ったころがある。
今回は同じく、上海、杭州、蘇州のほか、
寧波(ニンボウ)、紹興と無錫(ムシャク)鎮江(チンコウ)
を訪れる。
上海はまだ空港しか見ていない。今日まで寧波、紹興、杭州ほかを回った。

4半世紀まえの、中国の記憶をここで語っても意味はないだろう。
日本だって、25年まえの風景は、今とはまったく違っていた。
だとしても、中国の変貌ぶりに僕はショックを受けた。
沿岸部の発展は、もちろん知っていた、つもりだった。大都市上海の繁栄がどのていどだとしても驚くことはなかっただろう。それよりもあまりなじみのない寧波(宁波)市の大都会ぶりに度肝を抜かれた。ましてかつて訪れたことのある、杭州市は僕の記憶のなかと全く別物で、西湖という湖だけの、平屋ばかりの昔ながらの町が、本当の大都市になっていた。それは決してハリボテではなく、バス、クルマ、人々の服装、表情、どれをとっても、そして夜の風景や夜の喧噪を見ても、このあたりは、まぎれもなく世界の大都市のひとつに数えられるだろう。
ここからは、僕の戯言、印象なので間違いもあるかもしれないけど、感想まで。

バブル意向、日本の経済はストップしたままといえるが、その間中国は大変貌をした。
香港返還で一国2制度という、資本主義を完全に認めて、外資を呼び込み、それが砂上の楼閣といわれたとしても、沿岸部の繁栄が、ここまでとは思わなかった。高速道路は縦横にめぐらされ、国道もまるでフランスのように、高速とさしてかわらない。
そこには日本のクルマはもとより、メルセデス、BMW、フォルクスワーゲン、アウディ、ルノーなどなど、フェラーリにまで遭遇した。それは一部の富裕層のものだとしても、いくら上海のサラリーマンの初任給が3万元ぐらいだとしても、中国の富裕層は数千万人になってきたと言われているから、最近の日本よりヨーロッパ車を見かける確率が高いのは、当然かもしれない。
トラックやバンはアメリカ製もよくみる。上海ではなく、地方都市にも高層ビルがたちならび、そこにヴィトンやエルメスが入って、日本よりずっと立派な店舗になっている。アメリカ資本のファーストフードも、マクドナルドばかりじゃない。
自民党政権の末期から、あまり中国とは関係のよくない日本だけれど、その間に中国はアメリカと張り合うことができるぐらいになったのは、本当だと実感した。
中国14億の市場をめぐり、世界中で争奪をくりひろげているけど、日本は早くからきているものの、実はこの10年が中国の発展で、そこにリンクできなかった日本は、たしかに後れをとってしまったのかもしれない。
中国といえば、天安門事件、チベット問題、最近のギョーザ事件などなど、黄砂も含めて、マイナスイメージばかりだ。唯一ひところの観光ブーム。今でもJALは、中国路線が活発らしいが。この現代中国の現実をみると、経済で中国と張り合うことにむなしささえ感じてしまう。ここは巨大な市場なんだなんてことさえむなしい。
なにしろ、中国には(僕の見ている沿岸部に限ったことだと思うが)土地も、人も、物も、無限にある。貧しい地域でも、家はある。空間がある。町の作り方、家の建ち方が日本の全く違う。それは大陸のスケールで作られているからだ。共産党一党独裁の弊害ばかり語られるが、中国はまだ開発途上国のベールをかぶっているが、それはとても巧妙なやりくちだと思う。ひとりひとりは、決して豊かじゃない。はずだ。一部の人間たちがつくりあげた繁栄。しかし、繁栄とはそもそも歴史上、皆が豊かになるなんて夢物語で、アメリカの繁栄も、決してだれもが豊かに時代なんんてあるはずはない。
バブル前、冗談で、自民党政権下、実は日本は、
世界で一番成功した、社会主義国家じゃないかと言われたことがある。
極端な金持ちもないいし、貧乏人もいない。1億総中流だなんて、今じゃ考えられない能天気さ。日本人は明るかった。カメラを向けられたぐらいで怒ったりする人はいなかった。それが小泉以降、グローバル経済という美名のもと、社会主義はくずれ、精神的には世界のでもかなり荒廃した国になったと思う。この精神的というのは、知的じゃなくなったというのではなく、金がなくても、余裕で暮らせる精神性が喪失したことで、実際、そのはした金に、日本人が振り回され、イライラしているのは現実だろう。それが民主党政権になった大きな理由で、福祉に傾いているは当然かもしれない。街道の写真を撮っていて、感じることは、僕が見た限り、日本人がいちばんイライラしている。
逆説的にいえば、中国は、一国2制度のもと、もつものともたざるものを国家が認めてしまい、そのことで繁栄をしたわけど、もしかしたら
世界で一番成功した、資本主義社会かもしれないと思った。
なんて、戯言だけど。
中国に来て、繁栄の驚きもさることながら、一番驚いたのは、バイクがほとんどすべて、電気バイクになっていることだった。どのバイクもモーターのスーとした音だけ。排気ガスもなく、走り抜ける。不気味なほどだ。世界中で一番、電気バイクが普及しているのは遅れているはずの、中国かもしれない。1回の充電で20キロ、バッテリーの大きなやつだと40キロ走るらしい。都市部でエンジンのバイクはほとんど見なかった。その徹底ぶりに、これではホンダやヤマハはどうするのだろう、と危惧した。
もっともクルマはホンダが一番人気だ。
この戯言の、続きは、またこんどということで。

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Comments

コピーというか、インターナショナルというか、日本のゼネコンが作ってる部分もあるし。特に高速のトンネルの作りは日本そのもの。
中国は圧倒的にすごいけど、文化的には、日本にかなり影響されている。
ただ、高速道路は、日本をはるかに超えている印象。走っている車も、日本車、欧州車、アメ車とバラエティ豊。
中国にたいして、色眼鏡でみると、本質がみえなくなるかも。
今は、素直にそのエネルギーに感服。
日本は、もっと文化的に豊かでありたい。

Posted by: alao | 2010.05.04 05:45 PM

中国の高速道路?だと思うが、ちょっと見は日本の高速道路と全く同じ!!全体像から標識、色彩まで全く同じ、一見日本の高速道路と見間違った。これは日本のコピーでしょうか?

Posted by: kazuo | 2010.04.01 02:53 PM

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