世界のこちら側にある写真集 ZINE!横木安良夫 GLANCE oF LENS
●GLANCE of LENS について、BLITZギャラリーのギャラリスト福川氏のBLOG
●この写真集は、BLITZ Gallery のネットサイトで販売しております。
●また、現在東京、渋谷パルコPart1B1ロゴスギャライーにて開催されている、
レアブックコレクション2010の会場においても、販売しています。
2010年8月27日(金)~9月8日(木)
直接こちらで、パラパラとめくってみてください。
「GLANCE OF LENS 1 Vladivostok」は限定250、作家サイン・番号入り、ショートストーリー(ウラジオストクものがたり)の別冊付、ソフトカバー、サイズ:約 29.8 X 21cm。
A4 48ページ
販売価格は1650円(税込)
アートディレクション 原耕一
「GLANCE OF LENS」 VLADIVOSTOK
巷ではiPadのようなあたらしい電子メディアが話題です。もはや紙メディアは、恐竜が巨大隕石によって突然消滅したように、電子メディアに席巻されるのは、時間の問題でしょうか。
情報はそれを知ってしまえば捨てられます。ところが電子メディアは捨てる必要がありません。何しろ物質としては存在していないからです。ライトのスイッチを切るように、ボタン一つで簡単にデリートできます。現実存在として生きている紙メディアは、もはや過去の遺物なのでしょうか。
写真は、電子メディアのなかでは2次元という数学的世界のなかにあります。スクリーンに映された情報こそがメッセージなのです。だから僕が撮ったウラジオストクの情報はipadで十分伝わります
一方、紙に印刷された、写真は情報を伝達するだけではなく、物質としてのアウラを持った「存在」を送り届けることになります。ウラジオストクの写真は、僕たちが生きている、現実空間(空間+時間という四次元)に存在させた、計画された「生命」の断片です。デリートするには破いて棄てるか、燃やすといった物理的儀式が必要でしょう。
かつてマークルーハンが言ったように、メディアがメッセージならば、この冊子(入れもの)こそがメッセージであり、そこに写っている写真はメッセージの一構成物でしかありません。
写真はもともと何も生み出していません。現実を映すことで、新たな現実を捏造するといった構造があります。そういう意味で、スクリーン上の写真より、ここに新たに印刷物として存在している写真こそが、捏造された本物の現実なのです。
なんて、僕は思っているのですが、皆さんはどう思うでしょうか。
暑い夏、涼しい写真をお楽しみください。
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