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2013.06.08

単焦点レンズで撮る理由 200mmF2.8

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Eos5DM2 EF200mmF2.8 チェコ

銀塩時代、僕のメインカメラは中版だった。ハッセルブラド、途中からマミヤRZ67。
35mmは、あくまでサブで、コダクロームを指定されたときや、海外の取材や、
自分自身のスナップ写真、そして中盤や大判のサブにと限られていた。
かつて僕の仕事が、人物中心であり、
雑誌が多かったせいもある。

当時35mmフィルムはコダクロームが全盛で、
ポスター印刷じたい、コダクロームに合わせてあり、B全やB倍でさえ、
しかも化粧品でさえ、35mmコダクロームでの撮影を要求されたほどだ。

それは完全な印刷コントロールのもとの話で、
雑誌の印刷では、
35mmで撮るより、中盤や大判が絶対有利だった。
とくに見開きは、中盤が有利で、
僕はいつもマミヤRZを使っていた。

海外に行くときは、機動力が必要だし、いわゆるポートレイトよりスナップがメインだったので、
35mmがメインカメラになっていた。それでもハッセルは持って行ったが。
ハッセルのプラナー80mmを2.8開放で撮るのが好きで、離せなかった。
今、EF50mmfF1.2を多用するのは、その流れだと思う。
今、2000万画素超の35mmは、銀塩35mmと比べると、
中判で撮っているようなコーリティだ。

当時、35mmのレンズは24mmと50mm、
そして200mmと今と同じラインナップだ。
その3本が今も一番好きな画角で、
一眼は、70、80年代は、CanonF1MF2台とA1の3台、
銀塩末期はEOS5を2台使うのが普通だった。
なにしろEOS1など重くて使う気になれないし、
さして連射が必要なわけじゃないから、軽さを選んだ。
EOS5は、音も静かで、スナップにもずいぶん使った。

 
車が疾走中、助手席からの風景は200mmがぴったりだ。
きっとスピードのため、
視線がさきにあるからだろう。
のぞきながら遠方を見ていると、その景色が肉眼で目の前に押し寄せてくる気分は、
なんだか、200mmで見たファインダーの景色が、
まるでほんのちょっとの未来をのぞいる気分で不思議な感じがする。
今でも、街道の撮影中、車のなかからの景色は、200mmが多い。
上の写真は、たぶんプラハの町仲だったと思うが、車の助手席から狙っている。


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200mmで撮った、
なによりもの写真は「サイゴンの昼下がり」のアオザイの女性だ。
ベトナム、サイゴン、レタントン通りを、
僕の数十メートル先にさっそうと歩く彼女を、
偶然捕えたものだ。

ズームではなく、単焦点の良さは、
撮る距離感が先に決まっているからだろう。
視線は遠くにあり、その距離の風景、出来事に素早く反応できるからだろう。


PS.
ずいぶん前にBLOGにUPした、アメリカの女性ロックバンド、RUNAWAYS
夕刊プレイボーイで撮った記事の複写が見つかりUPした。その記事も合わせて読んでください。
2011年に書いた記事です。

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