単焦点で撮る理由 200mm F2.8
Eos 5DM2 EF200F2.8 ナミビア
車のウインドスクリーン越しに、前方の風景を200mmで撮っている時、
遠くの景色を見ているからだろうか、
ファインダーから目を離し、
肉眼で景色を眺めていると、数秒後にレンズを通した景色が通過してゆく。
なんだか、望遠レンズで見ていた景色は、未来を見ていたのだろうか、と前回書いたが、
その不思議な気分は、ずいぶん以前から気付いていた。
望遠レンズは、そんなふうに時間もそうだが、
肉眼で見えない景色も見せてくれる。
超望遠だったら、ファインダーの中のそれは、まるで違う世界の景色だ。
そばにいけないのに、すぐそばにいるような気になる。
頭のなかでは、瞬間移動のようなことが起きている。
ここと、はるかなるあそこが、
同じ時間、同じ場所にあるという感覚。
ワープだ。
また、光は秒速30万キロだから
地上では、どんな超望遠鏡をのぞいても、同じ時間にすべては存在しているはずだ。
でも、夜空を見れば、星は数光年から、数100光年、数万・・と、
例えば、近場でいうと太陽までの距離にしても、光は8分ぐらいかかる。
今、見えている太陽は8分前の太陽だ。
すると、1万光年なんて距離の星は、光学望遠鏡で見ることができたとしたら、
できるのかな?その星は1万年前の姿だ。
もしかしたら、今、「この時間」には存在していないのかもしれない。
この辺は、子供のころ天文学に興味を持ち、
いつも神秘的に思えることだった。
そういう意味で、望遠レンズは、未来を見るばかりか、
ここではない、現在を、
そして過去をも見ることができるという
不思議なレンズなのだ。
The comments to this entry are closed.
Comments