CRPAPB TOKYO 公演「書を捨てよ 町に出よう」寺山修司作
劇団APBTokyo「書を捨てよ町に出よう」公演記念出版!全109ページ ¥250
「書を捨てよ 町へ出よう」出版記念として
昨年出版の「双眼鏡の女」無料キャンペーン 10月6日夕方から10日まで0円!
またまた偽作 「書を捨てよ 町にでよう」 写真家 横木安良夫
昨年の劇団APBTokyo公演「双眼鏡の女」は、オリジナル劇とはあまり関係なくその登場人物たちを自由に
使って、デジタル写真集版「偽・双眼鏡の女」として作り上げた。
2017年の今回は寺山修司のかの名作「書を捨てよ 町へでよう」の公演のための撮影をすることになった。
劇団APBTokyoはこれまでも寺山修司の作品をいくつもの取り上げてきた。今公演の種本は1971年の映画
「書を捨てよ 町にでよう」だ。実は伝説のその映画の撮影が写真家写真家鋤田正義であり記録を荒木経唯
と森山大道が担当していることは当時憧憬というかわずかな反発ががあったことを覚えている。
それは前の世代のリアルだと思い込んでいたからだ。アングラ演劇は僕の世代にとってはすでに若者メディア
のなかの成功者、カリスマであり、すでに新な敵でもあったからだ。時代が過ぎてみればあの時代、60年代
も70年代も大きなひとつの流れに思えてしまう。10年ぐらいまえに本作のビデオで見た。感想は70年代特
有の前衛的な、重くるしい映画だった。ただ冒頭の主人公が青森弁でとつとつと客へアジテーションするシ
ーンは印象的だった。正直、他は全く覚えていない。今回用意された台本を一度さらっと読み、3分の2ほ
どまでたどりついたAPBの通し稽古を一度見ただけで撮影をした。
僕は、寺山の作品世界を表現しようとする気は全くなかった。それより2017年9月に、そして公演の10月
に存在するであろうAPBTokyoのメンバーが、この芝居にどうコミットするかのドキュメンタリーであれば
よいと思った。これは劇中に生きる、生身の登場人物たちのポートレート集だ。舞台に血肉を与えるのは絶
対に彼らたちだ。舞台の上にだけ存在するリアル。1970年代という熱い時代が、今2017年に生きる役者た
ちとどのような化学反応が生まれるか、そして観客たちの心に何が生れるのか。ほんのわずか彼らの芝居制
作に触れて知ったことは1970年代のリアルは、たとえ時代が変わってしまっても今を生きる人間にとって
もリアルだということだ。
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