2004.12.17

一ノ瀬泰造戦場より愛をこめて!

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一ノ瀬泰造のお母さん、信子さんから新作、「一ノ瀬泰造戦場より愛を込めて!」が届いた。紫色の横長の分厚いコンパクトな写真集。泰造がカンボジアで行方不明になった1977年、日本の外務省からフィルムが梱包された荷物が届いた。白黒フィルム376本、カラーフィルム45本、キックボクシングを撮った6本、使用残のカラーフィルム54本。
――私はこの時の感激を一生忘れないだろう。当時の私の日記をみると、この日から3日間空白になっている。何しろ、それからというものはネガを光に透かしてながめて終日過ごしているのだから。――(一ノ瀬信子)
まだそのときは、泰造の死を信子さんは確認していない。そのときの興奮が、いっさつにまとまっているのが本書だ。モノクロのコンタクトプリンと再現した写真と、あらたに発表する、その隙間に存在していた多くの写真。
キャパのコンタクトプリントが興味深かったように、やはり一ノ瀬のコンタクトも、一枚の写真とは違ったメッセージがある。写真とはなんと不思議なものなのだろう。一ノ瀬の全部のコンタクトプリントをみてみたくなった。もちろん一ノ瀬は戦争カメラマンだけれども、戦闘ではない、平和の時間の一ノ瀬の写真もやはり魅力的だ。1973年3月3日のサイゴン動物園での白いアオザイ姿の女学生たちのスナップ。たしかカラーで撮った、ずぶぬれの、そして下着の透けた写真を一ノ瀬は撮っている。僕はあの写真が大好きだった。そして今回その前後の写真が発表されている。そして恋人だろうか、レ・フォンを撮った幾つかの写真。みているとなんか胸がジンとしてしまう。今彼女はどこにいるのだろうか。
サイゴン、戦争博物館に、ベトナム戦争で活躍した多くカメラマンの作品とポートレイトが展示してある。そこにひときは目立つ、銃弾の貫通したニコンFの写真がある。それこそ一ノ瀬泰造のカメラだ。本当に不思議だ。いとも美しくニコンはひしゃげている。そしてこのときは、一ノ瀬は死ななかった。
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2004.11.20

神戸、阪神大震災

今、三島にいる。明日(正確には今日だ)の朝、こだまで名古屋までゆき、それからのぞみで新神戸に行く。これは1月17日までに、阪神淡路大震災の本を出版する、その取材のためだ。来年で震災10年、僕がそのときに撮った写真と、そのときまだ小学生になったばかりの子供たちは、今はやハイティーンになっている。今の彼らというより、今思い出してみて、あのとき震災とは彼らにとってどういうものだったのかを、インタビューしてみる。僕は、かつての写真と、今のハイティーンになった彼らのポートレイトを撮るつもり。まだその本のタイトルは決まっていないけれど、しかもまったく時間のない仕事。
来年1月には、震災10年をはさんで、ライブ写真展をするつもりだ。それは僕一人ではなく、8人ぐらいの神戸のカメラマンと一緒に神戸の、特に永田周辺の人々の写真を撮り、その写真を街にはりつけ、モデルになってくれたひとたちにプリントするつもりだ。10年たった今、いったい彼らはどんな表情をしているだろうか。おりしも新潟中部地震、地震はいつでも、どこにでも起こる。
「M7.3子供たちが見たもの」

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2004.11.12

デジで本

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デジで本(デジタルカメラで作る本格的な写真集)という、HOW TO 本の表紙ができました。
まだ、これは完成系ではありません。手直しが入ると思います。この本の、プログもつくります。発売は12月中旬の予定です。

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